08/8/07

森を育む家づくり

3エネルギーも生み出す木材加工団地

いま、この住田町で林業再生のシンボルとなっているのが、町内にある木材加工団地だ。製材工場の「協同組合さんりくランバー」と、集成材工場の「三陸木材高次加工協同組合」、住宅部材のプレカットと加工を行う「けせんプレカット事業協同組合」で構成されている。山から切り出した材木をこの加工団地に運び込めば、住宅部材となって出荷することができるというわけだ。

この木材加工団地は、バイオマス活用の研究・実践基地にもなっている。平成13年に木屑焚きボイラーを設置し、廃材を燃やして得た熱を、各工場の暖房や材の乾燥に使い始めた。また、平成14年からは、おがくずを利用したペレットの生産も開始している。いまではペレットストーブの世帯普及率が日本一ではないかと言われているほどだ。

さらに平成19年には、ボイラーの蒸気を利用して発電を行うバイオマス発電所を建設している。同時に発電所の排熱(温水)を利用して、イチゴなどのハウス栽培にも取り組みはじめた。このように木質バイオマスが村のエネルギーの主役になろうとしているため、原油高騰の影響は最小限にくい止められたという。

こうした取り組みは廃棄物削減にも効果がある。実際に工場から排出されるのは、カーボンニュートラルの考え方ではカウントされない二酸化炭素のみだ。その証拠に工場の裏を流れる気仙川は、川底が見えるほどに澄んでいた。

ペレット
おがくずなどの製材に伴う廃材などを粉砕、圧縮し、成型した固形燃料。

木質バイオマス
利用可能な生物資源のうち、森林や木から発生する木質のもの。。

カーボンニュートラル
植物は燃やしても生長する際に吸収した二酸化炭素が発生するだけのため、大気中の二酸化炭素の増減に影響しない。こうした性質をカーボンニュートラルと表現する。

(取材:岩間 敏彦  イラスト :小池 隆夫