2011、夏の節電。その効果は?

政府の節電ポータルサイト「節電.go.jp」
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 東京電力は9月26日、今夏の電力需給状況の結果を公表した。最大需要は8月18日に記録した4922万キロワットで、昨年夏の最大需要5999万キロワットに対して約18パーセントの減少となった。

 

 東京電力によると、今夏の気象状況・特徴は(1)太平洋高気圧の勢力の変動が大きく、気温水準が大きく変動、(2)関東甲信越の梅雨明けは7月9日で、平年(7月21日)と比べて12日早く、梅雨明け直後の7月中旬や8月中旬に高気温が発生、(3)全体として、昨年を下回る気温水準、とのこと。ちなみに、電力最大需要となった18日の最高気温は36.1℃となっている。

 

 さらに東京電力は、昨年夏に最大需要を記録した7月23日と今年8月18日の大口、小口、家庭用電力需要をそれぞれ比較し、節電効果を分析。それによると、大口需要は昨年の約2050万キロワットに比べて今年は約1450万キロワット(▲29%)、小口需要は約2150万キロワットに対して約1750万キロワット(▲19%)、家庭用電力需要は、約1800万キロワットに対して約1700万キロワット(▲6%)という結果となった。ピーク時の家庭用電力需要に関して、昨年7月23日の気温(35.7℃)より8月18日の気温が高かったなど、さまざまな要因が影響したことが考えられるが、東京電力は、家庭向けの電力販売量は7~8月合計で前年比▲11.8パーセントであり、家庭における節電の効果はあったとしている。(▲はマイナスを表す)

 

 今年の冬に向けても、すでに節電PRや呼びかけが各所で始まっている。今夏の状況をふまえ、加えてこれからの日本の電力政策等も鑑み、より安定した電力需給状況の創出や供給体制のあり方が今後も問われてくることになる。

 

文:田中一整

 

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