08/8/07

国連が打ち出したカーボンオフセット規制

6日付けのロイター通信で、国連気候変動枠組条約の事務局が、すでに利潤があがっているプロジェクトから生まれるカーボンオフセットについて、より厳格な対応をすることになったと伝えている。

京都議定書の枠組みのなかで、先進国が途上国で行う排出抑制の事業に投資することで、排出枠のクレジットが与えられるのがCDMというスキーム。これに対して水力発電や風力発電などの事業のように、CDMの有無に関わらず、すでにビジネスとして成り立っているものについて、国連がクレジットとして認めることに関して国際的な批判が多くあったという。

今後、国連の枠組みのなかで行われた投資が、具体的な排出削減につながるケースを中心にCDMのクレジットが出されて行くだろうとロイター通信は伝えている。

国内のカーボンオフセットについても、明確な基準づくりが行われていないが、こうした国連の動きが日本のカーボンオフセット市場に大きな影響を与えることは間違いない。

グリーン電力についても、その電力を購入することが、新たな自然エネルギー施設を生み出すことにつながらないと、CO2の排出削減にはつながらないと言われる。同様にカーボンオフセットについてもCDMなどのクレジット無しでも十分利益があげられる事業からのオフセット商品については、今後の市場から淘汰されていることになるのだろう。

2006年、本格的なカーボンオフセットを行ったドイツのワールドカップ以降、ドイツで盛り上がったカーボンオフセットブームは見事にはじけている。カーボンオフセットという考え方が地に足をつけたものに生まれ変わるためには、実効性の高いカーボンオフセット商品が数多く生まれることが必要だ。

そのためにはまだ時間が必要なようだ。

参考記事

U.N. to tighten rules on earning carbon offsets(ロイター)
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSL665937820080806
GUIDANCE ON THE DEMONSTRATION AND ASSESSMENT OF PRIOR CONSIDERATION OF THE CDM(気候変動枠組条約)
http://cdm.unfccc.int/EB/041/eb41_repan46.pdf

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上岡 裕(かみおか ゆたか)

エコロジーオンラインファウンダー、NPO法人ソーラーシティ・ジャパン代表理事、そらべあ基金運営委員長、Lingkaranスーパーバイザー、(有)循環型社会ネットワーク研究所代表取締役、おひさまスタイル株式会社代表取締役、正直合同会社執行役、2008年4月より京都精華大学非常勤講師。持続可能社会形成のため、様々な事業を展開している。...全文へ

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