08/9/04

CDMってどうなのよ? 途上国からの反論

8月21日~27日にわたって、アフリカのガーナで“Accra Climate Change Talks 2008”という気候変動に関する国際会議が開かれていました。ポスト京都(京都議定書の約束期間gが終了するのが2012年。その後の取り組みは現在まだ白紙なのです)の国際的な枠組みづくりのお話ですよね。

そこで話題になったのが京都議定書で決められたCDMという事業のあり方です。

まずはおさらいでCDMについて復習しておきましょうか。

CDMって言葉を、(財)環境情報普及センターが運用するEICネットで調べてみると、こんな説明がしてあります。


先進国と途上国が共同で温室効果ガス削減プロジェクトを途上国において実施し、そこで生じた削減分の一部を先進国がクレジットとして得て、自国の削減に充当できる仕組み。なお、このとき先進国が得られる削減相当量を「認証排出削減量(CERs)」という。


誤解をおそれずにいうなら、国際的に決めた京都議定書の約束を守れない先進国が、お金を出して排出削減事業を途上国で実施することを許し、その削減されたCO2については先進国のものとみなしましょう、といった仕組みです。

すでにこの仕組みのもとで、途上国への事業に先進国の投資が始まっています。具体的には、自然エネルギーへの投資や発電所やゴミ焼却炉などの高効率化などの事業。それが回り回って、みなさんの手元にも、カーボンオフセット商品なんかで戻ってきてるわけです。

さて、8月26日のナイジェリア「The Punch」というウェブサイトで、このCDMに対してナイジェリアの代表が異議を唱えたってことが伝えられました。


その記事によれば、途上国側のナイジェリア代表が、こういう先進国の排出削減を手伝うような事業は一切、やりたくない。それよりは適応策にお金を出して欲しいとインタビューに答えているんです。

現在の地球温暖化についての対策は、大きく「抑制」と「適応」の2つに分かれます。すでに温暖化の兆候は出ているわけですから、温暖化自体を止める対策だけでなく、温暖化で起こる被害をいかに低く抑えるかということが重要になるんです。

ナイジェリアも含めて、アフリカ諸国は世界で一番、地球温暖化の被害を受ける地域だと言われています。そんな彼らにとって、先進国の排出削減の手伝いをすることでちょっとのお金をもらうより、実際に起こる温暖化の被害への対応にぜひ、お金を回して欲しいというわけです。

たしかに、自分らとは全く関係ないところで行われた排出で、自分たちが被害を受けるという現状を考えれば彼らの言うことは至極、もっともなわけです。

日本に住む私たちも、「自分は京都議定書で許可された正規の事業から生まれたクレジットを購入してるからOK。途上国も喜んでいるんだろう」とかって安易に考えるのは、あまりに短絡的だったかな~って話です。

地球温暖化は大きな問題ですから、CDMのような様々な経済的な手法を取ることも必要だと思います。ただ、カーボンの数値を経済化して、被害の全般をおさえられると考えたら、大間違いってことだと思います。

そのためにはそんな環境被害への対応も織り込んでいける、より成熟した持続可能な経済のあり方が求められるんでしょう。

でも、現在のような市場原理主義に右往左往させられてる社会では、ちょっと難しそうだけど。。。

« 韓国に炭素キャッシュバック制度が誕生! どうなる、日本のエコポイント。 | メイン | オランダのクラブが始めたエコエコ大作戦 »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.eco-online.org/cgi-bin/eolmt/mt-tb.cgi/807

上岡 裕(かみおか ゆたか)

NPO法人エコロジーオンライン理事、NPO法人ソーラーシティ・ジャパン理事、NPO法人そらべあ基金理事、有限会社循環型社会ネットワーク研究所代表取締役、合同会社ライツフォーグリーン代表社員、DO!コラボシニアファシリテーター。83年、国際基督教大学卒業。株式会社ソニーミュージック・エンターテインメント(SME)退社後、フリーライターに。2000年3月、環境情報発信を中心とするNPO法人エコロジーオンラインを設立。そらべあ、おひさまスタイル、クラブヴォーバン、DO!コラボなど、数多く協働事業を手がけている。...EOLピープル»

CALENDAR

検索