08/9/11

温暖化防止のためには肉は控えめに、ということですが。。。

「地球温暖化防止に対して、個人の生活でできる効果的な方法をあげるなら、週に一度、肉を食べないで過ごす日をつくるのが良いかもしれない」

昨年、アル・ゴア氏とともにノーベル平和賞を受賞した、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のパチャウリ議長のこんな発言が世界で話題を呼んでいます。

この発言は、英国のガーディアン紙の質問に対して、パチャウリ議長が答えたもの。国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization of the United Nations)の調査によれば、世界の畜産業から排出される温室効果ガスは世界の排出の5分の1を占めています。なんと、牛や羊のゲップなどからもCO2の23倍もの温室効果を持つメタンが出ちゃうんですね。

それぞれの生活において、交通の手段を変えるより、食事のあり方を見直す方が、身近なのではないか~というのが発言の主旨のようです。

さて、ドイツも交通分野と同じ量のCO2が農業から出ているそうですが、肉をあまり食べない方が地球温暖化防止に効果的だというデータも、現地の研究機関から出されています。

ドイツの研究機関のInstitute for Ecological Economy Research (IOeW)の調査によれば、肉中心の食生活を一年続けた時に排出されるCO2は、中型車を4,758kmを運転したことに匹敵し、ベジタリアンの人の食生活は、同じく2956km分に換算されると言います。このデータだけでいうと、肉食をやめれば1800kmを運転した時に出る分くらいのCO2を排出削減できるってことになります。
>>http://www.ioew.de/home/downloaddateien/foodwatch_report.pdf(レジュメ)
>>http://www.ioew.de/home/downloaddateien/SR%20186_08.pdf(完全版)

(ついでにいうと、平均的な食料では有機・無農薬の方が15~20%温室効果ガスの発生を抑える、という結果も出ています。)

こんな風に、肉食に対して世間の目が厳しくなるなかで、オーストラリアの研究者からは批判の声もあがっています。

メルボルン大学の研究者のリチャード・エカート博士は、数年先には畜産分野から排出される温室効果ガスを3割削減できる新しい肥育方法が開発される見込みらしく、肉を食べるなと決めつけるのはまだ早いと訴えています。

さて、パチャウリ議長の発言に話を戻すと、地球温暖化防止のために世界中を行脚されている議長ですから、自分が仕事をするためには飛行機に乗らないわけにもいかない。この発言の背後にはそんな諦めの気持ちもあるのかもしれませんよね。インド生まれの議長はベジタリアンでもあるし、飛行機から排出されるCO2の排出を減らすより、肉は食べない方が楽だよって言うのはよくわかる話です。

(ゴア氏ほどじゃないんでしょうが、きっとご本人のカーボンフットプリントを出すと、かなりの量を排出しているんだろうと。ここらへんが温暖化問題をややこしくするところでもあるわけですが)

まあ、そんなことはさておき、どんな生活のスタイルを持っているかによって、変化させられる部分は大きく違ってきますよね。自分のライフスタイルや仕事に合わせて、ベストミックスなやり方を模索して行きたいところです。

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上岡 裕(かみおか ゆたか)

エコロジーオンラインファウンダー、NPO法人ソーラーシティ・ジャパン代表理事、NPO法人そらべあ基金代表理事、Lingkaranスーパーバイザー、(有)循環型社会ネットワーク研究所代表取締役、おひさまスタイル株式会社取締役、正直合同会社顧問、合同会社ライツフォーグリーン代表社員、 2008年4月より京都精華大学非常勤講師。持続可能社会形成のため、様々な事業を展開している。...全文へ

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