| 房総の森林ライフ かずさの森通信
vol.3
「2004年9月の風景」と「かずさの森の生態系(1)」
◆かずさの森の様子(2004.9.5)
近年の気候は極端にぶれています。特に今年は、乾いた暑い夏、7つの台風上陸など、観測史上始まって以来のことばかりという異常ぶり。そんな異常気象続きでも、9月に入れば確実に秋が近づいてきます。久方振りの雨で、池に注ぐ水音もこころなし軽やかに聞こえてきました。うるさいくらいの蝉の鳴き声もひっそり、秋の虫の音に主役交代です。雨にぬれた沢づたいの道を歩くと、サワガニ達が、こんなにいたのかと思わせるくらい、元気いっぱいチョロチョロはいだしてきます。
今かずさの森の生態園では、こんな植物の花がみられます。皆さんよくご存知の秋の七草の一つ、オミナエシ(女郎花)[1]。男郎花と書くオトコエシ[2]が隣り合って咲いています。春には天ぷらにして沢山楽しんだタラ[3]の木は、花をつけています。来年の春にも楽しませてくれることでしょう。白い線香花火のような花房を付けているのはウド[4]。春の若茎は美味。
黄色い小さな花は、キンミズヒキ[5]。お祝い事で使う金色の水引のような花を咲かせています。
ヤマボウシ[6]の実が赤く色付き始め、実が赤く色付き始めました。「猿に食べられる前に1個いただいておこう。」 実は小さいが甘いヤマグリ[7]は大豊作。昨年は、猿に食べられてしまいましたが、今年は少しはいただきたいものです。サンショウ[8]も赤く綺麗に色付きはじめ、なかに黒々した香りのある実が入っています。
少なくなったもののキノコも出始めてきました、写真は、ドウシンタケ[9]と思われます。食用になり美味ですが、類似の猛毒キノコがあるので注意が必要。
◆かずさの森の生態系
森には、中にいる動物を健康にする働きがあります。天敵のいない動物が人間の手によって放たれた場合、房総の森は生息環境が良すぎるので、人間が動物の密度をコントロールしない限り、バランスが崩れ、必ず弊害がでてしまいます。
つい先日の真昼間、私の背後で何やらゴソゴソするので振り返ると、なんと子供のハクビシン。ハクビシンは夜行性のはずなのに。ビックリする私を尻目に、おたおたと歩き去っていきました。これも生態系のバランスが崩れたために起こった弊害。動物本来の生活習慣すら異常をきたしてしまっています。
微妙なバランスの中に多様で豊かな森が形成されています。森に対する人間の関わり方について、主に人間が放った動物達が森で、どんな生活をして、どんな影響が出ているかを現場から見たままを、数回にわたって発信したいと考えています。
岩田 和久 (イワタ カズヒサ)

1949年生まれ、森林塾かずさの森代表、森三昧屋代表。
27年間、森林作業を通じて、森林の保全活動を実践。6年前より市民に林地を解放し、森林の情報発信・交流活動を行う。また、1区画をシカの食害防止ネットで囲い、生態園とし、植物保護につとめている。
かずさの森 http://www.chibayama.ne.jp/kazusa/ |
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