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緑の街と緑の人びと
第四回 
さて今回も引き続き「緑の施設」、つまり公園のお話です。フライブルク市のほぼ中心にあるゼーパークを紹介しましょう。この公園はもともと、フライブルク市の近くを通るアウトバーンのための砂利採取場でした。砂利を採取した後の巨大な穴に水を貯め、人口湖を作ったのです。このように採石場を人口湖とし、その周りを整備して公園、憩いの場にした所が多いのもヨーロッパの特徴です。ドイツ語で「ゼー」とは湖を表します。ゼーパークでは湖を中心として各種のテーマを持つ公園や施設が作られています。
ところで話は変わりますが、ドイツの小中高校には日本でいう部活に当るものは存在しません。従ってサッカー場などになる大きなグラウンドは学校にはありません。スポーツから吹奏楽に至るまでの活動は、各地区が主体となりジュニアからシニアまで一つのクラブ(NPO)として運営されているのです。そのためスポーツのための施設は多くの場合、大型公園に密着する形で自治体によって作られています。ゼーパークにもサッカーやハンドボール、テニスなどのグラウンドが整備されています。また子供の遊び場(子供の大きさ別に遊べるように数ブロックに分かれています)、日光浴をする芝生、ビアガーデン、また人が入れない形で木が植えられた鳥類の保護区などが湖を囲む形で点在しています。その点を遊歩道と自転車道が結んでいるのです。こういった大型公園は市内に四つあり、「全ての年代の人びとが楽しめるように」という思想が一貫して計画に反映されていますので、誰でも休日を満喫することができます。

夏場はサマータイムを利用して、仕事を終えた市民が日没の十時近くまで日光浴を楽しみ、中には湖で泳ぐ人もいます。日本人の私に強烈なのは、人目を気にしないドイツ人が丸裸で日光浴していることです(もちろん一部の人びとですよ)。美女もいれば、お年寄りからおっさんに至るまで、地理的には市内のど真ん中で、本来禁止されているはずのオールヌードの姿には、目のやり場に困ることもありました。
私の両親がフライブルクを訪れたときのことでした。市内観光の後、私達が湖そばの芝生の上で休憩していると、会社帰りの男性がやってきました。彼は何の躊躇もなく全てを脱ぎ捨て、湖で泳ぎはじめました。そこに十歳位の子供がやってきて、湖にいるカモにパンくずを与えていました。するとその男性が子供のところまで大急ぎでやってきて、パンを投げ入れるのを止めるように注意をはじめたのです。カモはパンがなくても餓死することはなく、湖がそうした行為で富栄養化し、水質が悪化するからです。ただパンツをはいてから注意した方が説得力があるのに、というのが私と両親の一致した意見でした。

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村上 敦
(ムラカミ アツシ)
1971年生まれ。岐阜高専土木工学課を卒業後、ゼネコンに入社。東京湾埋立工事 などにおいての環境破壊の惨状に疑問を感じ、ドイツ・フライブルクへ留学。フライブルク大学独文科に在籍しつつ、ドイツの環境政治・行政を学ぶ。途中ドイツ人女性と結婚し、休学。その後、フライブルク地方市役所・建設局に勤務し、
現在は日本の環境機器メーカーのアドバイザー、兼主夫。HP(www.geocities.jp/freiburg2004report/)でフライブルクの行政についての分析を行う。」 |
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フライブルク基本情報
■市名/Freiburg im Breisgau
■位置/ドイツの南西部。フランス、スイスの国境に近い。
■気候/平地は乾燥して暖かいシュヴァルツヴァルトでは風が強く寒い。
■人口/約20万人
■面積/約103平方キロメートル(うち3分の1が森)
■特徴/ドイツ南西部「黒い森」のふもとに位置する中世の趣を残した大学都市。
1972年に隣接した地域に原子力発電所の建設が予定され、町をあげての反対運動で阻止。
これをきっかけに、市民と行政の両者が積極的に環境保護に取り組むようになり、1992年に「環境首都」(=自然と環境の保全に最も貢献した自治体)の称号を与えられた。


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