【2004年09月13日号】
■ 1 ■

【アメリカ発】ニューヨークの酪農農家、オーガニックに向けて動く

アメリカでは、「良質の乳製品を作る」というプロジェクトが行われており、ニューヨーク の酪農家が、従来の酪農からオーガニックへと転換を遂げる過程を研究している。転換の過程で乳牛の健康、牛乳の質や安全性にどのような変化が見られるかを知ることを目的としている。酪農製品がオーガニックとして認められるために、乳牛はオーガニック飼料や牧草で育てられ、抗生物質やホルモン剤等を投与されていてはならないという。また、プロジェクトを成功させる上では、酪農家がこうした環境面での努力をした上でも、健全な財政状態が保てることも重要とされている。従来型の酪農家がオーガニックに完全に転換するのに3年間かかると考えられるため、研究も同じ期間で行われるとのこと。獣医や食物科学者が転換過程での牛乳のサンプルを採取し、その変化を見る。また、研究に参加する農家がどのような方法でオーガニック酪農を行っているか話を聞き、今後一般の酪農家がオーガニックに転換する際の支援方法を確立したいという。オーガニック牛乳はアメリカの牛乳市場の1%を占めるに過ぎないが、現在急激に成長している。1997年から2004年までの間に、オーガニック認証を受けた乳牛は2.7倍に急増した。ちなみに、ニューヨーク州では、275のオーガニック認証酪農家が存在し、現在60の酪農家が認証を受けるための努力を続けているという。
▼詳しくは>>>
■ 2 ■

【スリランカ発】スリランカ、干ばつにより野生動物保護区を閉鎖

スリランカ最大の野生動物公園が、干ばつのために閉鎖された。閉鎖に至る要因は、喉を乾かせた象が攻撃的になり、観光客を襲う恐れがあるためとのこと。この国立公園は、インド洋に浮かぶ島の南東にあるヤラ国立公園といい、豹やワニ、猿などの野生動物が生息し、多くの観光客が集まる場所。公園の担当者は「干ばつのために公園を1ヶ月間閉鎖しました。野生の象が観光客を襲う恐れがあったからです」としている。干ばつで象は体重が落ち、疲れきった様子だという。アジアの象はアフリカゾウに比べて温厚な性格とされている。先日、食べ物と水を求めて農地までさまよってきた象が農家の人を殺してしまった事件もあったが、そのようなことはまれとのこと。ちなみに、スリランカでは干ばつが多く、直近の干ばつは国民の10%、160万人の生活に影響を与えた。この事態にスリランカ政府は、地方の村に対し、緊急対策としてトラックで水を届けたとのこと。ヤラ国立公園に対しても現在水トラックが1日5回走行し、動物の渇きを癒しているという。
▼詳しくは>>>
■ 3 ■

【オーストラリア発】サンゴ礁、温暖化に順応する

温暖化の影響を強く受けているとされている珊瑚礁が、耐熱性の藻類と共生する事によって現在の危機を免れることが出来る可能性が高いと「ネイチャー」誌が報告した。これまでは、海水の温度が平均でわずか1度上昇するだけで珊瑚と共生する藻類が流出を起こして、珊瑚礁の死(白化現象)を招くとされ、2030年までに世界の珊瑚礁の半数が失われるおそれがあると言われてきた。しかし、今回の報告によると、共生型の藻類クレードC型と共生する珊瑚は温暖化やエルニーニョ現象により白化してしまったものの、クレードD型の種と共生する珊瑚には漂白化が見られなかったという。グアム大学のブラウン博士はクレードC型の藻類は32℃以上の環境では光合成能力が失われてゆくのに対し、クレードD型では変化が見られないとした。オーストラリア珊瑚礁生物多様性研究所所長ヒューズ氏は「今回の研究は、珊瑚礁と藻類の共生関係が気候変動に順応することを示している。しかし耐熱性の藻類が非耐熱性の種に置き換わることで世界の珊瑚礁の構成は劇的に変わると思われる」とコメントしている。
▼詳しくは>>>
■ 4 ■

【アメリカ発】有機農業がデッドゾーンを救う

アメリカでは昨年、世界最悪のデットゾーンと呼ばれる「酸欠海域」が、メリーランド州ボルティモアからヴァージニア州ヨーク河までの約250kmに渡って発生した。それによって、チェサピーク湾は、蟹や魚類の大量死を記録している。この現象は、農業排水による富栄養化が原因とみられている。このことに対し、ペンシルバニア州環境保護局とロデール研究所は、農家が有機農業を実践する事で、河川の水質汚染を最大で75%減らす事ができると発表した。チェサピーク湾財団の農業政策アナリスト、オニール氏は「地域の河川を健全な状態に戻し、チェサピーク湾の回復させるためには、広い範囲での農業保全化の実践が必要です」と語る。
▼詳しくは>>>
■ 5 ■

【アメリカ発】航空産業も大気汚染の原因

アメリカの環境非営利団体が、航空産業は他の産業と同じように、航空機は環境汚染だけではなく二酸化炭素も排出しており、大気汚染の原因になっていると指摘している。また、IPCCも1999年に、全世界の二酸化炭素排出量の3.5%が航空機に起因すると報告している。これは、ロスやワシントンDC、シカゴなど大都市の空港では毎日多くの飛行機が離着陸し、アイドリングなどで大気と地面に汚染物質を排出しているが、アメリカでは航空機が州を超えて移動するため、各州の汚染規制の対象とならないことが問題になっていとのこと。さらに、アメリカ連邦航空局は、大気汚染の監視を行う立場にありながら空の旅を奨励するという矛盾した態度をとっていることも議論の的となっている。しかし、現在のアメリカの経済状況、社会情勢が、奇しくも二酸化炭素排出の削減につながっているとの見方もある。燃料となる原油の価格が高騰する中、9.11以来飛行機での移動を消費者が避けるようになり、航空業者は便数を減らし、アイドリングを中止する航空会社が続出。中でもデルタ航空は、地上での二酸化炭素排出量を40%削減するという、環境にとってやさしい結果につながっている。また、前述の環境団体は人々に、短い距離の移動であれば飛行機の代わりに電車を利用することなども提案しているとのこと。
▼詳しくは>>>
世界のエコニュース(行政編)は「World Environmental Policy News」から抜粋して お届けしています。
|