開口一番、壱岐さんは「エコツアーは楽しくなくちゃ」と語った。環境を守ることをストイックに追求した旅は結果として満足するのではなく、旅行自体が目的となってしまうかもしれない。「エコツアーは何より旅を楽しむことが重要、その中で、自然と向き合い、環境の大切さを自ずと分かって頂くことになれば良いと思います」。つまり、強制的な意識付けではなく、楽しさの中からそれぞれが、自然の大切さ以上のものに気付くことを重視したツアーを壱岐さんは心がけている。それは、個人個人の意識を引き出すという面で、エコツーリズムの根底に流れる「持続可能な」という概念にまさしくフォーカスを合わせた考え方である。その上で、「エコツーリズム・ネットワーク」という名前についての意味も語ってくれた。「この名前は、関係機関や団体、同業者などと協力しながらビジネスを広げていきたいという思いが込められています」とのこと。現在、多くのエコツアーは自然の現場に行って…見て…、ただそれだけのモノが大半である。しかし、全国各地の環境系NPOや行政機関などと協力しあうことで、ツアー毎に既存のソレとは違う、もう一歩踏み込んだエコツアーを企画出来るというのだ。例えば、現地でスローライフを実践している人々と交流する旅など、自分で味わい、満足し、自分の中に何かを残す旅なのである。既に、協力体制にある団体や関係機関のネットワークは日本全国に広がり、海外へも拡大中、地球規模で旅を楽しみながら環境へ貢献も出来る体制は確保されている。「エコツアーをビジネスとして成り立たせるのも重要ですが、少人数でも満足して頂けるハイクオリティーな旅をこれからも企画していきたいですね」と未来を見据えながら、壱岐さんは語っていた。
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