小笠原村では平成16年3月、総合計画の中で「持続可能な島づくり」を最上位項目として据えた。
「観光バブルの頃に日本全国で土地を大規模に開発して、リゾートホテルを建て、一時はにぎわったけれども、あとは何も残らない。自然も壊されてしまう。そういう島にはしたくない。一時的な観光の収入だけに目を奪われて、自分たちの住んでいる島がどんどん荒れ果てていって、資源という部分では枯渇してしまうことがないように、という考え方ですね」と産業観光課の杉本さん。
いつ来ても変わらない島。それが、観光客に与える安心感は大きい。
「持続可能」というテーマは、小さいコミュニティだからこそ、実現しやすいというのも、友永さんの持論だ。
「東京で持続可能ということを実現しようとすると、いろんな限界があるんですね。この島だったら、あっという間ですよ。ここは地域が小さいから、理想的なことがやりやすい。合意形成を取るのも、人口が多い土地より難しくない。マーケットが小さくてマス的にやるメリットがないから、しがらみもない。
車だって、排気量の少ない車に乗ればいいだけ。逆に排気量の大きい車に乗る人は環境に負荷をかけるんだから、村例を作って税金を高くするとか、排気量の少ない車を買う時は村も補助してあげるとか」
エコロジーな経済のフックは他にもある。「風力発電所を一棟建てれば、それを管理をするのに会社ができる。電気を供給するのに地下ケーブルを掘らなきゃいけないですから、工事が発生する。そのケーブルのメンテナンスも延々とある。それだけで相当な事業が発生して、雇用が生まれるわけです」
環境ビジネスの資金に関しては、ファンドという手もある。
「座間味だとか、ニセコでは、生き残りをかけて民間からファンドを集めていますよ。魅力あるプランを出せば、小笠原はステータスの高い島だから、僕はあっというい間にお金は集まるんじゃないかと思っています」と友永さん。世界一の環境先進の地も夢ではないというのだ。小笠原はその恵まれた自然を命に、動き始めている。
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