何かと話題のドイツ・ベルリン動物園のホッキョクグマ(シロクマ)「クヌート」。母親の育児放棄で話題になり、関連グッズが販売されるなど大人気を呼んでいる。だが、北極圏にいるクヌートの仲間たちはそんなことを喜んではいられない。
カナダ・ロシア・アラスカ・グリーンランド・ノルウェーには、およそ2万から2万5千頭のホッキョクグマが生息している。1970年代初期に施行された狩猟禁止令などにより、ホッキョクグマなどの肉食性動物が保護されてきたが、もうそれだけでは追いつかない。この時期、地球温暖化によってフィヨルドの氷がなくなってしまうという異常事態が起きているのだ。昨年、国際自然保護連合(WCU)は、ホッキョクグマの頭数がこの先45年のうちに30%も減少してしまうだろうと報告した。アメリカ合衆国政府も、ホッキョクグマを絶滅危惧種とするかどうかを2008年1月に決定する。その一方で、ロシア北極圏のイヌイット極地青年議会(the Inuit Circumpolar Youth Council)の人々は、自分たちの地域でたくさんのホッキョクグマが見られるため、彼らが絶滅危惧種になりつつあることを感じていない。グローバルに起きる変化を自分たちの生活のなかでどうとらえ、そう行動するのか。イヌイットだけの問題ではなさそうだ。
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(取材:町田 佳子 )

