紅葉が美しいウォールデン湖だが、その生態系は大きく変化している
エコロジーの分野の世界的な名著をあげろと言われれば、まず第一にあがるのがレイチェル・カーソンの「沈黙の春」。そして次に来るのが、ヘンリー・デイヴィッド・ソローの「森の生活」だろう。
19世紀中盤、「詩人博物学者」と言われるソローが、米マサチューセッツ州コンコードで送った2年2か月にわたる自給自足の生活を書きつづった「森の生活」には、ウォールデン湖畔を彩った様々な動植物に関する情報が溢れている。
だが最近、彼が書き残した植物たちの3分の2が、温暖化のせいでこの地域で絶滅していることが、ハーバード大学の研究者によって明らかにされた。大きな影響を受けたのは、ユリ、ラン、スミレ、バラ、ミズキなどの種の多く。開花時期が温暖化によって影響を受ける植物が多く関係している。その一方、カラシナやタデ、外来種など、温暖化に強い植物はあまり影響を受けなかった。このレポートによれば、なんと、ソローが1850年頃に書き残した植物のうち、すでに27%がこの地域で絶滅し、36%が希少となりほぼ絶滅したと考えられている。
このレポートをまとめたCharles C. Davis准教授によれば、気候変動によって被害を受けたのはニューイングランドの景観を代表する植物種の多くだ。
エコロジーの聖地に起きた植物の絶滅は他人事ではない。自分たちが生まれ育った自然の景観を守りたいと願うなら、地球温暖化に真摯に立ち向かうことが必要なのだ。
<<参照ウェブサイト>>
Records dating back to Thoreau show some sharp shifts in plant flowering near Walden Pond
- カエルの死は生物多様性に対する危機のシグナルか!?(EOL)
http://www.eco-online.org/eco-news/2008/08/18-094334.php - 身近な鳥が消えている! 鳥類減少から見る生物多様性の危機(EOL)
http://www.eco-online.org/eco-news/2008/10/02-093552.php
上岡 裕(Writer)
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