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今後の気候変動を、過去の北極の気候と海流を解析することで予測しようする海洋学者たちがいる。アメリカ国立科学財団の生物海洋学プログラムが出資した研究結果が11月の「Ecology」誌に発表された。
発表によれば、過去6500万年間の大西洋の気候変動のパターンを復元すると、地球は温暖化と氷河期を何回も繰り返しており、現在、地球は気温が上昇する間氷期にある。この気温上昇がもたらした過去30年間の北極の気候と氷面積の変動が、北方の海の海流パターンを変えているという。たとえば、1989年以来、北大西洋のプランクトンの数が激増している。原因は、北極の氷が解けて大量に海に流れ込み、海流を変えたためだ(GSAといって、海洋表層における急激な塩分低下を指す)。太平洋のプランクトンが変化した海流にのって北大西洋に流れ込んでいる。プランクトンのような海洋無脊椎動物の数が増えたほか、水温上昇や海水の塩分濃度の減少、タラの減少などさまざまな変化を海洋生態系にもたらした。このような劇的な変化は過去80万年間、地球上で起こっていなかった。
ただ、これまでの変化は「氷山の一角」。前回の間氷期の終盤には、淡水が流れ込むことで高塩分の北大西洋深層水(NADW)の海流が衰え、暖かい海流が北上しにくくなった。結果として北極の氷の生成が加速して氷河期を迎えたというわけだ。
今世紀中は北大西洋深層水の動きが弱まる兆候はないというが、来世紀以降は現象が生じる可能性も。いったん始まると、急激な気候変動が起こるということまでは予測できるそうだが、それから先に何が起こるのかは、まったく予見できないとのこと。
今回の研究結果は、あくまでも海洋学の視点から過去の気候変動に焦点を当てている。しかし、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告書(2007年)が発表した「温暖化には人類の活動が直接的に関与している」という報告と重ねて読めば、間氷期の気温上昇の期間だからこそ、温暖化を加速する原因はできるだけ排除していかなくてはいけないことがわかる。なぜなら、間氷期の終盤に起こる急激な気候変動は、文明がまだ経験したことがない規模のものになるだからだ。
(翻訳サポート:中野よしえ 文:温野まき)
- アメリカ国立科学財団
http://www.nsf.gov/index.jsp
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