気候変動により、生物が移動するスピード

*写真はイメージです。
気候変動に伴い、すでに多くの種がすみかの移動を始めているが、一体どのくらいのスピードで移動しているのだろうか? the California Academy of Sciencesのチームが算出したところ、平均で、年間0.42キロメートルだったということが、12月24日付けの『Nature』誌で発表された。
今回の研究では、現在の世界各地の気候と気温パターンと、今後100年間の気候変動予測を組み合わせて気候変動の速度を計算した。予測には気候変動に関する政府間パネルが今後100年間の温室効果ガス排出量を予測したもののうち、A1Bシナリオという中間レベルをもとにしている。A1Bシナリオとは、技術進歩により多様なエネルギーを使用し、省資源で高成長する社会を想定したもの。
スピードが遅いのは熱帯および亜熱帯の針葉樹林帯で年間0.08キロメートル、温帯地域の針葉樹林帯は0.11キロメートル、低山帯の草地と灌木地で0.11キロメートル。スピードが速いのは、砂漠地帯および乾燥草地帯の0.71キロメートル、マングローブ林の0.95キロメートル、サバンナや草原地帯の1.26キロメートルとなっており、ダイレクトに気候変動の影響を受けるこれらの地帯では、年間1キロメートル以上の移動になる場合もある。
それぞれの保護区内に生息可能な時間(現在の気候条件下で、ある保護区内を通過して保護区外へ出るまでの時間)をみていくと、100年以上の時間を有するのは保護区全体のわずか8%しかない。今後、この割合を改善するには、炭素排出量を減らすだけでなく、世界規模で保護区を拡張し、それぞれが連携できるようにしていくことも重要だと今回の研究は強調している。
生物が新たなすみかを求めて移動し続けていく先に待っているのは何だろうか。来年は、名古屋で「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)が開催される。
文:温野 まき 翻訳サポート:中野 よしえ
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