広がるか、太陽熱利用 太陽熱パネル設置マンションも建設中

屋上に取り付けられた太陽熱パネル(イメージ)
大和ハウス工業、三井不動産レジデンシャル、長谷工コーポレーションの3社は、東京都世田谷区のNTT社宅跡地に建設中の環境配慮型分譲マンション「ザ・レジデンス千歳船橋」の概要を発表した。
同マンションでは、東京都では初となる500m2以上の大規模太陽熱パネルを利用した「住棟セントラル・ヒーティングシステム」を採用。住棟セントラル・ヒーティングシステムとは、太陽熱パネル内で温められた不凍液が、集中熱源プラント内で熱交換され、全住戸に給湯用の温水を供給するシステムのこと。作られたお湯は、一度、大型の貯湯タンクに貯められ、必要に応じて、ガス補助ボイラーで加熱された後、各戸に約60℃の温水として供給される。さらには、床暖房にも太陽熱が活用されている。
このシステムは、東京都の「グリーン熱証書」の発行基準を満たしており、現在、都に申請中とのこと。グリーン熱証書は、太陽などから生まれた熱に、「環境価値」を認め、それを証書として市場で取り引きできるようにした制度。東京都は、太陽エネルギー利用機器が生み出す環境価値10年分の譲渡を条件に、戸建ての場合は所有者に、今回のケースではマンションの管理組合に補助金を交付する。
東京都のグリーン熱証書の仕組み
グリーン熱証書の導入には、太陽熱利用を促進させようという狙いがあるが、東京都の補助金申請状況は、太陽光発電システムの5503件に対して、グリーン熱証書が発行できる太陽熱利用システムはたったの29件(グリーン熱証書の発行ができない設備を含めると139件。1月22日現在)と振るわない。余剰電力の倍額買い取りが大きく影響していることは間違いないが、太陽光発電に比べて安価で、太陽エネルギーの約5割を熱として活用できる太陽熱システムは、もっと見直されてもいいはずだ。ザ・レジデンス千歳船橋の全282戸で使用されるボイラーはわずか6機。ほとんどの熱源を太陽熱でまかなっていることからも、そのポテンシャルの高さは明らかである。
家庭のエネルギー消費の半分以上を占めるといわれるのが暖房と給湯だ。熱を熱のまま使う太陽熱利用システムの普及が広がれば、家庭部門のCO2排出の大幅削減は決して難しくはない。
文:加藤 聡
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