暮らし方を変えることがオーガニックだった!
オーガニックコットンの仕入れルートを探す
オーガニックコットン布団を作り始めて10年になることはお話ししました。佐藤先生から悲惨な化学物質過敏症の方々のことを聞いていたので、この10年間は少しでもオーガニック性を高めた布団を作るための試行錯誤の期間でもありました。
最初の問題は良質な原材料の仕入れルートの開拓でした。
現在オーガニックはもちろん、普通のコットン原綿でも100%輸入に頼っていますが、10年前にはオーガニックコットンでは糸や布もまだ国内では作られていませんでした。そんな状態ですから我々の寝具業界ではオーガニックコットンの生地やワタの素材は入手できませんでした。そのため最初の試作段階ではオーガニックコットンを直輸入している専門店さんから生地を分けていただき試作品を作っていまいた。
当然のことですがあらゆる生産物には製造責任が伴います。とりわけオーガニックコットン製品は純粋性が使命ですから、素材から製品化までのルートがはっきりしている製品でなければなりません。そのための前提としてオーガニックコットンに対する明確なポリシーを持って取り扱っている事業者であることが一番大切な条件になります。近年になってオーガニックコットンの国内繊布も始まり、製品も多様化してきましたが、かなり疑わしいものもありますので、製品選別はますます厳しくなっているともいえます。
オーガニックは原点回帰運動だった!
ここでオーガニックって何かについて説明しておかなければなりません。
私は外来語の正確な意味はわからないのですが、本物とか本来、本質という意味のように理解しています。ですからオーガニックコットンは本物のコットン(綿)という意味です。したがってオーガニックコットン布団は「本物の布団」と考えていただきたいと思います。
もう一つの見方ではオーガニック食品は有機栽培食品を指していますので、オーガニックコットンは「有機栽培綿」ということにもなります。
ここまで書いたとき、最近出版された「オーガニック革命」(高城剛著、集英社新書)に出会いました。本書では、オーガニックは21世紀型の新しいライフスタイルを創造する運動につながっていることが語られています。人類の文明が際限ない膨張をつづけ、これから先が全く見えない時代に入ってしまいました。そんな時代からの転換を、人々の暮らし方から変えていこうという思いがオーガニックに込められているというのです。言い換えればオーガニックは大量生産、大量消費の効率優先社会からの転換運動そのものであるわけです。
著者はオーガニックはグリーンやエコとは違うと言います。それではロハスかというとこれもしっくりしません。しっくりしないのはこれらがみな、使い続けるうちに商業主義的オブラートに包み込まれてしまったために、本来の力が剥ぎ取られてしまったからではないかと思われます。
そのはぎ取られたものは何かと考えてみると、物を作り出すこころの部分ではないかと思います。そこの元のこころを取り戻すところからオーガニックが見えてくるのではないでしょうか。つまりオーガニックとは原点回帰の運動そのものでした。
このことから、グローバルの対極にあるのがオーガニックだったことがわかります。オーガニックは原点に還るという意味で、あらゆるものや事象に言える普遍的意味を持っているようです。ここであらゆる部門においても「原点回帰」がなされなければ人類の生存そのものが保障されなくなっています。原点回帰というのは最初の始まりのこころに還ることだと思います。つまり初心に還ることです。それは最初の思いを蘇らせることです。
オーガニックを考えていくとこのことに至ってしまいます。オーガニックコットンはグローバルな競争社会では生き残ることができないものでしたが、時代の転換のためにはなくてはならないものになったのです。
安心できる原料供給先が見つかった!
信用できるオーガニックコットン素材の仕入れ先を探しあぐねていた2000年夏、新しい出会いが訪れました。
「環境」という難しい課題を、もっとわかりやすく皆で語り合える場を作ろうという目的で生まれた「普通の人のエコロジー」WEBが「エコロジーオンライン」に改称して間もないころのことでした。私は「和綿」の情報を求めているうちにこのWEBとご縁ができ、間もなくメーリングの仲間に入れていただきました。(和綿については稿を改めて書かせていただきます)
このメーリングの中はエコロジーを主題にした情報交換と、未来の暮らしを熱っぽく語り合う場となっていました。ここで語り合ううちにいつしかこころがつながって、仲間となっていくのです。このつながりは現在のエコロジーオンライン(以下EOL)に引き継がれています。そしてEOLの皆さんとのメーリングの交換の中でオーガニックコットンを取り扱っていた2つの事業者さんと知り合うことができました。
アバンティーさんとパノコさんです。
どちらもしっかりしたポリシーを持ってオーガニックコットンを輸入しているメーカーさんです。
この出会いは志を同じくする仲間としての出会いだと考えています。ですから仲間同士です。仕入れ先ではありますが、私は取引先というような感じを持つことなくお付き合いをさせていただいています。これで安心できる原料供給先が見つかりました。
こうしてオーガニックコットンふとんの原料供給先の心配はなくなりました。しかしまだしばらくの間は確信を持てる製品を作り出すまでには至りませんでした。(つづく)
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おやまつ とくじ
1936年東京生まれ、親松寝具店3代目、1998年エコふとんショップに転換、自然素材寝具の制作、1999年同業者とふとんリサイクル推進協議会設立、布団リサイクルを発信
2000年インターネットショップecofutonオープン
2001年オーガニックコットンふとん、和綿「弓ヶ浜」布団など発売
2008年2月店舗閉店、現在ネットショップで営業中
最近のコメント
「ぶうさん、コメントありがとうございます。 ぶうさんの初心を大切忘れない純粋なお仕事への取り組みはオーガニックの純粋さに通じているように思います。 買い物で未来を買うことも出来ますが、未来を売ることも出」... ecofuton (オーガニック革命は始まっている)
「前の記事に続いての投稿です(*^_^*)失礼いたします。 糸までオーガニックって凄いですね。なんだか、本当に職人魂を感じます。のちほど、お店のHPも覗かせていただきますね!」... 弁護士ぷう (純粋のオーガニックコットン布団を目指して...)
「 お久しぶりです(*^_^*) 以前、懐中電灯さんの会でお会いした、ぷうです。やっと少し時間ができたので、お邪魔いたしました。 買物は未来を決める投票って重い言葉ですね。 特にコットンのように、直接」... 弁護士ぷう (オーガニック革命は始まっている)
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