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08

2月

2012

「バイオマス」が観光資源に ~岡山県真庭市~

 岡山県北部に位置する真庭市は、岡山市から車で1時間半ほど、公共交通も1時間に何本かの単線の鉄道が走るだけの、山間部ののどかな地域です。

 

 この山間部の真庭市では、市の観光連盟が「バイオマス」をテーマにしたツアーを実施し、現在年間2000人を超える集客を行っています。2006年末からスタートしてわずか5年。レジャーや観光からは遠いと思える「バイオマス」が何故人を集めるのか、その仕組みや背景などを探りました。

 

 真庭市は8割を森林が占める森林資源の豊かな土地です。特に人工林が6割以上を占め、その中でも桧が7割を占めるという特徴をもっています。昔から林業や製材業が盛んで「美作(みまさか)桧」などの銘木産地としても有名でした。しかし、近年、国内の木材市場は低迷し、林業家は木を伐採して搬出しても、植林の費用さえ残らないという現状が続いています。

 


 その中で、真庭市では製材時に出るおがくずや端材、樹皮といった以前は廃棄物となっていた素材も含めて、木材のバイオマスとしての価値を最大限に引き出す方法を他の地域より先行して試行錯誤していました。たとえば、市の製材業のひとつである、銘建工業では、製材の際に出るかんなくずを使って木質ペレットを製造したり、1984年から、工場内で使う電力をおがくずや木材チップを燃やして発電してまかなっていました。もちろん、木材の乾燥に熱利用も行っています。

 

 欧米の木材業では、端材やおがくずをバイオマス資源として付加価値をつけて活用され、その売上が本業の2割を占めるほどになっています。そのような海外の活用例なども参考に、真庭市ではいくつかの企業が、早くから「木質系資源」の活用への先鞭をつけていたのです。

 

「真庭バイオマス集積基地」にはおがくずや樹皮が分別されて集積される

 一方で、バイオマスが市のテーマとなっていく過程には、1993年に市の若い経営者などが集まり真庭の将来について考える「21世紀の真庭塾」の影響力も大きいものでした。

 

 中国道の開通によって、真庭が通過点になってしまうのではないかという危機感から始めた勉強会でしたが、話し合いの中で「ないものねだりをしてもしようがない。目の前にある山の資源をまるごと利活用することだ」という意見にまとまり、バイオマスを市のテーマにフォーカスすることになったのです。真庭塾から経営者同士の交流も盛んになり、木質資源を有効活用した新しい商品開発やエネルギー開発などを行う「真庭バイオエネルギー」や「真庭バイオマテリアル」といった共同事業も始まりました。

 

 このようにバイオマスの利活用が盛んになる中、真庭市でも市をあげてバイオマスの資源循環を行おうと2006年に「バイオマスタウン」の構想を立ち上げました。この中では、木質系バイオマスだけでなく、北部の蒜山高原の畜産業のバイオマス資源の利用など、木材資源以外にも利用を広げて行こうという構想が打ち出されました。

 

銘建工業のバイオマス発電施設を見学する「バイオマスツアー真庭」の参加者

 2006年ごろには、市内のバイオマス関連企業への視察が急増していたことから、真庭観光連盟に窓口を一本化し、市や関連企業と連携した「バイオマスツアー真庭」が本格スタートしました。

 

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