緊急座談会「どうする? 8.30衆議院議員選挙」Part 4
編集部:温野 まき
いよいよ第45回衆議院議員選挙の投票日へ向けてカウントダウンがスタート。そこで、EOLでは、今回初めて投票権を得た大学生の方をはじめ、会社員、ライターの皆さんに集まっていただき、衆議院選、特に環境政策をテーマに緊急座談会を行いました。17日から21日まで、5回に渡って、その模様をお届けします。お見逃しなく!
座談会に参加した人たち
- 堀川優季さん(大学4年生・21歳)
- 太田祥宏さん(大学4年生・22歳)
- 松尾直樹さん(製紙会社会社員・23歳)
- 西井直也(CSR/環境コンサルティング会社員・26歳)
- I.Aさん(フリーライター・41歳)
- 加藤聡(EOL編集部・31歳)
- 温野まき(EOL編集部・46歳)
再生可能エネルギー普及はいいけど、私たちの負担は...
I 再生可能エネルギーが普及するのはいいことですが、電力の安定供給を考えると再生可能エネルギーばかりになったら、私たちの生活は立ち行かなくなると思うんですよね。
温野 現状(の技術力とインフラ)ではそうですよね。ただ、太陽光発電なんかはもっと普及してもいいとは思います。いま、一戸建て向けの太陽光発電の助成金しかありませんが、大都市なんかは7割以上は集合住宅暮らしだと思うので、全世帯の電力は無理だとしても、せめて共用部分だけでもソーラーで自給できたらいいなと。災害があったときも電源が一つよりは分散されていたほうがいいと思うんですよね。
I 「未来を選べ! 衆議院議員選挙の候補者と政党をエコチェック」が評価しているマニフェストにも、「再生可能エネルギーの具体的な導入目標と、再生可能エネルギー電力の固定価格買取制度(フィードインタリフ)が盛り込まれているか?」という質問がありましたよね?
加藤 どこの党も、これはマニフェストに入れてます。
温野 ただ、固定価格買取制度が導入になったときに、各家庭で電気料金に乗っかってくるんですよね? 毎月100円くらいの負担になるんでしたっけ?
加藤 当初は、30円くらいで、最終的に(2015年度には)100円くらいになると言われています。自民党の案で行けばです。
温野 ソーラーパネルを取り付ければ、余った電力を電力会社に売電できるので(1kWh50円になる予定)、取り付けのための初期投資200万円くらいを10年で回収できて、後は儲かるみたいなことになっているんです。でも取り付けていない世帯は、毎月100円多く負担。
西井 簡単に(負担を)増やすとか言うの、やめてほしいです。
I ソーラー取り付けた方が得っていう。
きちっと説明した上での負担に。でも、その前に不公平をなんとかして
加藤:ソーラーパネルを取り付けない人は、負担の方に目が向くというのは、「子ども手当」(民主党案)と一緒ですよね。高校生以上の子どもがいる人や子どもがいない人は増税されるという...。
I 不公平感がありますよね。
加藤 説明の仕方によるんじゃないですか。いま負担することになっても、長期的に国を運営するという視点で見ればこうなんですっていう説明があれば納得できるんだと思います。
温野 6月に、温室効果ガスの中期目標を麻生総理が発表したときも、(民主党案25%削減は)各家庭の負担が大きくなるので、そんな金額を皆さん払うかね?みたいなことが報道されていましたが、きちっと説明がされて、その負担が自分たちの行く末にとってどうしても必要で納得できる額ならいいと思うんですが...
西井 だけど、まだ他に減らせる部分があるんじゃないかって。時々メディアとかでも話題になりますが、たとえば公務員で働いていない人のこととか。もちろん一部だと思います。でも、そういうお金をもっと必要なところにまわせると思うので、簡単に僕たちの負担を増やすって言わないで欲しいです。
I 知り合いが、内閣政府の印刷物やウェブをつくる財団法人に居たんですけど、潰れちゃったんですよ。だけど上層部の人たちはほとんど全員天下りだったりして、その人たちはがっぽり美味しい思いをして退職金ももらって、また次へ行く。下で働いている人たちは会社潰れて何もないっていう。
温野 だから、そういうのを民主党が政権とったら、何とかしてくれないかなっていう期待感はあるよね。自民党には、それができなかったわけだから。
西井 できるのか?っていう不安もあるけど。(笑)
どういう国だったら幸せか
温野 すごく漠然とした質問ですが、どういう国だったら、どういう社会だったら私たちは幸せになれると思いますか?
堀川 取りあえず、いまのこの不況は脱しないといけないなと。私の就職先がないんで!
I 切実な問題だよね〜
堀川 いくら環境が良くなってもお金がないと生きていけないじゃないですか? だから私は経済成長はすごく大事だと思うんですよ。でも、いつまでも日本だけっていう視野だと、人口も減っていくし、GDPも上がっていかないと思うんです。重要なのは、もっと日本が国際社会に出ていくことじゃないかと。だから、これからの政治に期待したいは、世界に出ていって、国際社会の中で諸外国と対等に議論できるような、競い合えるような強い国。環境政策についても日本がリードできるような国になって欲しいです。
太田 でも、(企業が)海外に出れば出るほどGDPは下がるじゃない?
堀川 そうか、GDPと(国としての)発展はイコールじゃないかもしれないですね。
温野 社会人としてはどうですか? 松尾さん。
松尾 うちの会社は、日本の森林保全のために間伐された木材で紙を作って、それを積極的にみんなに使ってもらうことで、森林保全に役立てようとしています。やっぱり、みんなが何かに貢献できたことを実感できる国だったら、消費者一人ひとりが「積極的に取り組もうかな」と思えるんじゃないかと。自分のことを振り返っても、環境に興味がなかったのは、やはり実感が持てていなかったっていうのがあります。それで、急に「環境が大事だ」って言われても、小さい子に急に掛け算やれ!って言っているような感じもあったので。とにかく、「実感が持てる社会」になれば、もっと環境の取り組みも進むんじゃないかと思います。
温野 マニフェストの中では、民主党も自民党も「木材の自給率を50%にする」って掲げているんですよ。いま木材自給率が20%で、あとの80%は海外から輸入。なので、両党とも、日本の林業の衰退を政策的にサポートして、一方で海外からの違法伐採の木材輸入をなんとかしようとは考えているみたいですよね。そのときに、ただ補助金をバーンと出すんじゃなくて、いま松尾さんが言ったように、消費者一人ひとりが"紙を1枚買うことで森林保全に貢献できる"ような仕組みを政治と民間が一緒につくっていけるといいですよね。
I 貢献を意識しないで普通に生活していることが環境にいいっていうことも大事ですよね。食の自給率アップにしても、政府はキャンペーンをしていますが、そういうことよりも、スーパーなどで野菜を買ったときに、意識しないで手に取ったものが国産だったらいい。あとは、私たちが払った税金が、自分の老後や、いま介護が必要な人たちに使われているのが目に見えてわかれば、たとえば消費税が10%になっても納得いくのかもしれない。そこが見えにくくなっているのが、自分ばっかり損してる...みたいに思えるんですよね。
■各党の環境政策をチェックするなら
「未来を選べ! 衆議院議員選挙の候補者と政党をエコチェック」
http://www.maketherule.jp/dr5/eco-check
■各政党のマニフェストを読むなら
おんの まき
1991年から旅行ガイドブックのライター、情報誌、女性誌、料理専門誌、企業のSPコピー、教育書籍などの編集とライターを経て、2009年からエコロジーオンライン、おひさまスタイルの編集長。環境分野の中でも特に興味のあるテーマは森林の保全と資源利用。趣味は風水研究。
http://www.hanulu.comEOL視点の[特集・連載・レポ・コラム]
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