編部1:いやいや空気も乾燥しててノドが乾くっすね。
編集長;ずずずーっと「はちみつユズ茶」をすする。

編部1:ということで次のお題は『マツ』でどすか?
編集長:いいんじゃなーい(ずずずーっとまた茶をすする)

編部1:マツっていえば日本の代表的存在ですよ。ほら松竹梅ですよ。
編集長:そうね、トップだわよね。(ずずずーっ)
トリ:(無言がつづく)

トリ心の声:(マツ?マツってあの松林のマツ・・。松竹梅の最高ランク・・相変わらず脈絡なくお題が決定していく・・もうよい、こうなったらなんでも書く、書いちょるばい!)

とまたこのように、とあるカフェーでの編集会議でお題は決まったのだ。


今回は「マツ」!

冒頭にもありましたが、松竹梅の意味は三つとも「寒さに強く縁起の良いもの」として中国では絵の題材によく使われたそうな。それが日本にも伝わり、門松のようにおめでたいものの代表とされた。

松竹梅の順位は、お寿司屋さんやそば屋さんなどで便利に使われたのが始まりとか。もともとはどれが一番などの順位はなかったそうだ。まあ余談はこの辺にして。


イラスト:mattina

日本には八種くらいのマツがあり、代表的なものはクロマツとアカマツ。
クロマツは名の通り幹が黒っぽくて、松葉は太くかたいことから男松とよばれ、アカマツの方は葉も柔らかめで幹も赤いことから女松と呼ばれている。

貧しい養分の土地でも育つが、なにも好んでそこにいるのではなく(マツだってほんとはいいとこがいいのさ)良いところは強い木にとられてしまうので、仕方なく住んでいるようなのだ。
マツは太陽光がたくさん欲しい「陽樹」という種類で、わずかな光でも育つ「陰樹」との生存競争に負けてしまうらしい。

こんな控えめなマツなのだが、その昔、家庭燃料はもちろん、塩作りや製鉄の燃料、建築材、マツヤニは石けんやニスに、根からでる油やタールは塗料溶剤、防水・防腐塗料などくらしに欠かせないものだった。しかし、石油の登場で一変、マツは必要なくなり林は放置され衰えていく。
その後、シイなどに代表される陰樹が勢力をのばしていき、マツは隅っこに追いやられていったのです(涙)。

有名な鎌倉の大仏。戦後まもないころは大仏をバックに写真を撮ると背景はマツだったとか。今ではシイに変わっている。マツとシイどちらが大仏に似合うのかなどと、人間界では賛否両論だ。
時代に翻弄される幸薄い主人公のようなマツだが、もとは人が増やしたものだしこのまま減るのが自然の摂理、という声もある。

ここまで読んで「マツってなんだかカワイソウ」と思ったあなた、ご安心を。地道に活躍しているマツもあるのです。

潮に強いため防風・防潮林として住民を守っているほか、止まり木として鳥たちから絶大な人気がある(しかも大型鳥)。
絶滅寸前のニホンコウノトリの復活運動に力を注ぐ兵庫県豊岡市の記録によると、昔コウノトリはマツに止まっていたそうだ。マツの枝は太くて水平にのびているので、鳥が止まったり巣をかけやすい。オオタカやサシバなども巣をかけるのにマツを選ぶんだとか。

もう一つ、松葉が現代のダイオキシン測定に一役買っている。松葉の表面にはトックリのような形の気孔と呼ばれる穴があいているため、そこに汚染物質がたまりやすい。この特徴を生かして、空気中の見えないダイオキシンを測ることができる。

いつの時代も人に利用されて来た「マツ」。仕事は地味だし目立たないけど縁の下の力持ちナイスガイ「マツ」、
いや親しみをこめて「まっつあん」とあえて呼ばせてもらおう。「まっつあん」は今岐路に立たされている。自然に身を任せて行くのがよいのか、それとも人の手で保存されていくのか。どうする?「まっつあん」!

イラスト:mattina

 



鞍作トリ/プロフィール
「業界新聞記者勤務、のち劇団員、ナノニまたまた業界誌帰還。紆余曲折を繰り返す人生つつうらうら。流れ流れてエコロジ−オンライン、の人物なり」