雪山でのスキーから宿に戻ると、
赤々と燃える薪ストーブが帰りを待っている。
氷を溶かすように、冷えきった体を温めてくれる火、
揺れる炎を見ていると時間が経つのも忘れてしまう。
ひとりふたりと火を囲む人が増え、体が温まっても
その場を離れる人はいない。自然と心が和み、
火の周りで語らうひととき……。
薪ストーブを見る度に、そんな冬のワンシーンを思い出します。
「薪ストーブの魅力ってなんだろう?」
そんな疑問を胸に、
那須で薪ストーブの販売をされている
「ファイヤーワークス」の宮脇弥寿雄さんを訪ねました。
那須の林の一角に、お家兼ショールームがあります。空気のひんやりとする戸外から一歩中に入ると、なんとも心地よい温もりがふわ〜と体を包んでくれました。席に落ち着くと目の前には大きな窓ガラス。風に揺れる木々の葉やせせらぎが聞こえてきそうな小川、頂きがほんのり雪化粧をした山・・・その素晴らしい景観はまるで一枚の絵を見ているようです。その景色をバックに、“人の心を魅了する”火と薪ストーブのお話が始まりました。
「この広い空間を暖めてくれるのは、あの薪ストーブひとつだけ。」と言って指差した薪ストーブは、少し離れた所にあります。ちょろちょろっと燃えているだけでもこんなに暖かいなんて!「使い続けていると、例え火がなくなっても家全体が自然に温まっていく。こんないい暖房器具はないね。」部屋を見渡すと、日当たりの良し悪しも気にせず、ソファの上でぐーっと体を伸ばしきって眠る猫が…。あぁ、気持ちよさそうだね〜、そんな表情につられて口元がほころんでいる私でした。
「焚き火って離れがたいでしょ?
薪ストーブも同じだね。火はおもしろいよ。じーっと見ていると、もやもやとした思いが浄化されて心がきれいになっていくみたい。そういう火の魅力があるから、薪ストーブは根強い人気があるのかもね。」
ゆらゆら揺れる炎って、一瞬たりとも同じ姿を見せることはなく、だからついつい飽きずに見とれてしまう。焚き火を見る機会もなくなってしまった今、慌しい毎日の中では、“火のそばでほっと落ち着く”、そんな心地よさを忘れてしまっているのかもしれません。燃える薪やゆらめく炎が本物そっくりな“薪ストーブ風のガスストーブ”もありましたが、やはり本物の炎を体感してしまうとそちらの虜になってしまうなぁ。

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