2009年06月22日

シェルの和解金、『石油を巡る戦争・太陽による平和』

5月末から6月12日までは日本に滞在し、講演活動をしていました。で、ドイツに戻ってから、ようやく昨日までに、その間に溜まった新聞・雑誌の山に目を通していたわけです。6月7日には、EU議会選挙とフライブルク市議会選挙がありましたから、見逃せない情報も多数ありました。 じゃあ、まずは、ドイツの選挙結果の傾向について。国民政党と呼ばれる保守党(CDU党)と社会民主党(SPD党)の2大政党制が戦後から続けられてきたドイツですが、いよいよ、崩壊に達した感があります。とりわけ自由主義・中道右派のFDP党の躍進は著しく、緑の党も局地的には大政党を凌ぐまでに成長しました。今回、EU議会選と同日に行われた大都市、シュトゥトガルト市の市議会選で、緑の党が第一政党にのし上がったのは、驚愕するべき事実でしょう。これ ......全文へ 全文へ

2009年06月20日

ドイツの未来の都市交通(その3)

さてさて、今回は『国家自転車会議2009』で報告がなされた自転車交通の費用便益比(B/C)に関するお話です。 皆さんは道路がどのように予算を確保して造られてゆくのか知っていますか? 道路を新設したり、拡張する場合、ほとんど例外なく費用便益比(B/C)という数字のマジックで、その計画の妥当性が検証されます。検証されるというと聞えがよいですが、ようは「税金を投入した金額以上に社会的な見返りがありまっせ」という後ろ盾を作って、国交省などの建設関連のお役所は道路建設の予算を確保してゆくわけです。 さて、なぜ私がここで数字のマジックと呼ぶのかについては、2つ理由があります。一つはこの費用便益比(B/C)は数字を任意に操作しやすいこと、そもそもこうした計算にいれるパラメーターが非常にあいまいで、さじ加減 ......全文へ 全文へ

2009年05月20日

ドイツの未来の都市交通(その2)

さて、シェアドスペース(Shared Space)に関して前回の続きを書きましょう。 ドイツ北部に位置するボーンテ市(ボームテ市)には、州道のクラス3という道路が自治体を貫いています。ボーンテ市は人口1.3万という小さな自治体ですが、住民の数と同じ数の車がその州道には毎日通過しています。また、近隣の自治体が工業団地を強化したため、この1.3万台/日の交通量のうち、トラックなど貨物車の割合は年々増加してゆき、またトラック自体の大きさも大型化してゆきました。現在のトラックの割合は全体の交通量の1割となっています。平日の通勤時間と木曜日と金曜日の午後には、市内中心部の交差点の信号を基点に車が数珠繋ぎになるのが通例でした。 通常であれば、ボーンテ市の周りは農地や森林、炭鉱の跡地ですから州道を付け替え ......全文へ 全文へ

2009年05月15日

ドイツの未来の都市交通(その1)

さて、5月のドイツは通年も今年も、環境にやさしい交通関連の会議が目白押しです。先週は、ベルリンとヴュルツブルクに出かけて、3つの会議に参加してきましたので、その報告をしたいと思います。また視察も1件行いましたので、その内容も少し報告しましょう。新情報を仕入れすぎて、頭が少しパンクしている状態ですが・・・、整理して報告できるかな? ドイツの交通・建設・都市発展省(いわゆる国交省です)は、5月4、5日にかけて『アーバンモビリティ研究会議――政と学のダイアローグ(対話)』と題した大掛かりな会議を行いました。これは、現在の大臣の強い希望でもあるこの省のタイトルのうち「都市発展」の部分を強化するために行われたもので、次官による開会のスピーチでもこのことが強調されました。ドイツではこの省のことを通常は「 ......全文へ 全文へ

2009年04月10日

ドイツのこれは真似をしてはいけない!

 昨日の新聞報道を見て驚きました。「あちゃー」という感想が第一です。  新聞各社の報道によると、経済産業省は、エコカーの買い替え奨励金(補助金)を総額3700億円、省エネ家電のエコポイント還元金(補助金)として総額2700億円を09年度の補正予算案に新経済対策として盛り込むそうです。補正予算の総額は15兆円規模という想像もつかない「とてつもない金額」ですから、上述の数千億円の話でガタガタ言っても仕方がないのでしょうが、まあそれにもめげず、今回のレポートでは、この補助金の話をしてみたいと思います。  まずはエコカーへの買い替え奨励金について。経済産業省、政府、与党は、新車登録から13年以上経過した車を廃車にして、10年度の燃費基準のエコカーを購入するケースで、軽自動車では12.5万円、普通自動 ......全文へ 全文へ

2009年01月13日

民主主義を大きくしよう――投票権を16歳からにする理由

ドイツではこの年末から新年にかけて、既視感(デジャヴュ)でないかと錯覚するほど、すでに見たことがあるような同じ内容の新聞報道が繰り返されています。ロシアの天然ガス、イスラエルの侵攻、そして金融危機関連がそれで、数字や表現は違えど、同じところの堂々巡りです。人間の本質って懲りないところにあるんでしょうね。これに輪をかけて、もう1つ繰り返しの報道が今週から激しくなってきました。今週の日曜日、1月18日にフランクフルトのあるヘッセン州の州議会選挙を控えての選挙報道です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%B3%E5%B7%9E 昨年のはじめにこのブログでも紹介しましたが、昨年1月にヘッセン州では州議会選挙が ......全文へ 全文へ

2009年01月01日

省エネ電球は環境に悪い?

皆さま、明けましておめでとうございます。当初、このブログをはじめたときから少し意図が変わってきていますが・・・今年も環境保護の難しい点を、できるかぎりドイツでのトピックスを交えながら整理してお伝えしてゆきたいと思います。 さて、前回告知しましたように、今回はドイツで12月に巻き上がりました「白熱電球VS省エネ電球(電球型蛍光灯)」に関する議論です。なかなか質が高くて面白い議論ですから、皆さん新年早々ではありますが、頭をフル回転させて一緒に考察してみましょうね。 ことの発端は2つの出来事からはじまります。  まず1つ目:EUは、今後4年間で段階的に白熱電球を市場から取り除くことを決議しました。これは2008年1月までに行われたEUの「エコデザイン政令」のための学術的な調査でLCA調査を行った結 ......全文へ 全文へ

村上 敦(むらかみ あつし)

ドイツ在住の日本人環境コンサルタント。理系出身。日本でゼネコン勤務を経て、環境問題を意識し、ドイツ・フライブルクへ留学。フライブルク地方市役所・建設局に勤務の後、フリーライターとしてドイツの環境施策を日本に紹介。南ドイツの自治体や環境関連の専門家、研究所、NPOなどとのネットワークも厚い。
2002年からは、記事やコラム、本の執筆、環境視察のコーディネート、環境関連の調査・報告書の作成、通訳・翻訳、講演活動を続ける。
...詳しくは

お問い合わせ・筆者についての詳細は、
www.murakamiatsushi.de
をご覧ください。

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