ヒデンゼー(Hiddensee)はドイツの最北東部、リューゲン島から数キロ離れたバルト海に浮かぶタツノオトシゴ形の細長い島です。ここは当時の旧東世界の一大保養地で、統一後の現在はメックレンブルク・フォアポメルン州に収まっています。このヒデンゼーを含む地域「シュトラルズント市・リューゲン島選挙区」からは、アンゲラ・メルケル女史が選出されています。ここはドイツ首相で物理学者のメルケルさんのお膝元なのです。
地図でヒデンゼーをご覧になってください。
http://maps.google.de/maps?f=q&hl=ja&geocode=&q=hiddensee&sll=51.124213,10.546875&sspn=16.158108,38.012695&ie=UTF8&z=11&iwloc=addr&om=1
一方、私が住んでいるのはドイツの最南西部のフライブルク市近郊。ヒデンゼーまでの道のりは1000キロ(!)を超えます。うーん、非常に遠い。それでも飛行機やアウトバーンをぶっ飛ばす車での旅行はエコではないですから、会員であるカーシェアリング協会を通してドイツ鉄道に問い合わせてみると、お得な夏休みスペシャルの鉄道チケット(特急+指定席込みの往復でなんと約100ユーロ)が買えるというのです。こうしたときにフライブルクのカーシェアリング協会は、何でも相談に乗ってくれる強い味方です。早速8月に日程を定め、チケットを購入しました。
ドアーツードアで、バス+路面電車+鉄道+バス+フェリーでの合計移動時間は13時間を超えました。しかし、ドイツの特急鉄道ICEには気軽に立ち寄れる「ビストロ」とそれほど高額でなく結構おいしい「レストラン」があるのです。ここには、寂しがり屋の旅行者たちがいつもたむろしています。ビールやコーヒーで時間をつぶしながら、見ず知らずの人びとと会話を楽しみながら一路バルト海へと向かいました。
ハノーヴァー、ハンブルクを通過して北ドイツのローシュトック市を超えたあたりから、風の国「フォアポメルン」に突入します。この辺に来ると、車窓から無数の風車が目に入るようになってきます。
風車をよく観察してみると、年代の古めの出力が小さなものが目立ちます。つまりこの地域では、古くから草の根の力で風力発電が推進されてきたというわけです。とりわけ海岸近くでは、今ではめっきり見かけなくなった2枚羽の風力発電機も目にするようになります。ちなみにこのメックレンブルク・フォアポメルン州では、1,200基を超える風力発電基が設置されていて、この州の全消費電力のおよそ35%(!)が、風によって発電されています。
なんて言いながら、本土と橋で繋がっているリューゲン島へ鉄道は移動します。そしてバスに乗り換え、ようやくフェリーの港であるシャプローデに到着しました。港に着いたとたんフェリーは出発しようとしています。重い荷物を抱えて、手を振りながら離岸を少し待ってもらい、なんとか予定通りのフェリーに間に合いました。

うーん、海は好いですね。いくら幅が狭く、水深が浅い入江であっても気が晴れ晴れとします。このリューゲン島の周辺部の入江は、ボッデン(Bodden)と呼ばれ、数多くが国定公園に指定されています。河川からの淡水が海水を薄めていて、入江の外のバルト海と混じりにくい地形のため特別な生物たちが生息域を形作っているのです。またこの地域は鶴や鴨などの渡り鳥も休息を求める鳥たちのオアシスで、生態系にとっては非常に貴重な場所です。諫早湾のような目に合うことのない、フォアポメルンのボッデン地域。フェリーは45分でヒデンゼーに到着しようとしています。
すると、アナウンスが。「えー、現在港は船で一杯なので、フェリーが横付けできません。ですからここを飛ばして、次の港に行ってからもう一度戻ってきます」。うーん、このアバウトさが東ドイツの気質なのか?
とにかく、ヒデンゼー島の別の港に立ち寄ってから、予定時間を45分ほど上回って無事に目的地のクロースター(Kloster)に到着することができました。
