『6月10日(火)』の新聞記事
前回のブログと同じようなテーマになるのですが、この日の新聞ではサルコジさんとメルケルさんの会談の果てに、EU内での販売される新車の平均的なCO2排出量が2012年までに110g/kmということに定まりました。燃料にバイオマスを利用する、環境性能の高いタイヤや燃費向上のためのドライブ・サポートシステムを導入することで10g/kmのおまけを認めることになりましたので、まあ実質は120g/kmというわけです。これは日本式の燃費に換算すると19km/L、結構厳しい値ですよね、とくにドイツのメーカーにとっては。
ただし、もちろんこの値は各メーカーの実績を踏まえて調整するので、ポルシェがいきなり平均してこの燃費になるということではありません。ただし、大型車メーカーにとってはかなり厳しい目標値が科せられますから、ドイツメーカーはVWを除いておそらく守れないことでしょう。そして違反には今議論されている段階で、それぞれのメーカーにとって数百億、いや数千億円、いやそれ以上の規模の罰則が伴うことになります。その罰則金は大型車の販売価格に転化せざるをえないでしょうからドイツメーカにとっては、地獄が2012年に迫っているというわけです。
そんなEU、おおよその結論の方向性が見えはじめ、サルコジさんがEU議長国で年末までにこれらの規制を盛り込んだ気候温暖化パッケージを策定するぞとマッチョに意気込んでいるところに、今回の金融不安が起こりました。いやー、ドイツの自動車メーカーにとっては、うれしいのやら、悲しいのやら。政治は一瞬にしてこの規制の緩和へと動きはじめましたが、販売数も急降下です。
ただし、私の購読しているバーデン新聞の社説には、この記事に関連してこんなことが書いてありました:
『・・・自身の産業を綿で包むことは、その産業を保護することには繋がらない。イノベーションは防壁を高く張り巡らすことではなく、厳しい競争へと突き落とすことで推進される。とりわけ交通の分野では緊急に新しいアイデアと技術が必要とされている』。
さすがに自動車関連産業の存在しないフライブルク地域の新聞ですね。自転車と公共交通、徒歩交通をひたむきに40年にわたり推進し続け、マイカー登録台数が国や州の平均値を大きく下回るフライブルク市では、こんな意見が支持されるのです。
環境ジャーナリスト 村上 敦
www.murakamiatsushi.de
