|
身近に見ることのできる氷の芸術としては、寒い日に窓ガラスの上で幾何学模様を描いている霜があげられる。これは、窓ガラスについた水蒸気が冷気で冷やされ、氷の結晶が窓一面にレリーフ状に広がったものだ。この結晶は雪の結晶と形が似ているが、平面にできるため雪のように左右対称ではなく、触手を伸ばしたようにさまざまな方向に広がっていく。霜は、ガラスだけでなく、良く冷えた岩や小石、自動車などいたる所にできる。まさに、冬だけに見られる自然の美と言えよう。 山形県蔵王では、冬、真っ白な樹氷の林が見られる。これは、雪雲とともにやってきた氷点下の水滴(過冷却水滴)が霧となって樹木に吹きつけられてこおりついたもの。まるでモンスターのように山一面に立ち並ぶ姿は壮観だ。また、長野県諏訪湖では御神渡り(おみわたり)といわれる現象が起きる。これは、こおりついた湖面が深夜さらに冷やされることで氷が縮み、数キロにわたり湖面の氷が割れ、そこに現れた水面がさらにこおる。朝になり気温が上がると氷が膨張し、深夜にできた薄い氷の部分が大きな音とともに湖面に立ち上がるというわけだ。これを見た昔の人は「諏訪の上社から下社に神様が渡った跡だ」と考え、御神渡りと名づけた。御神渡りは北海道屈斜路湖などでも見られる。壮大な自然現象には、神の存在を感じさせるものが多い。
天界から無数に降り注ぐ雪は、美しい天使の羽毛といった感がある。しかし、その軽いはずの羽毛も、積もりに積もると惨事につながることもある。たとえば長時間にわたり雪が降り積もると、その重みで密度が増し、1cmの積雪で1平方メートルあたり3kgの重さになる。この計算でいくと100平方メートルでは300kgとなり、10cm積もると3トンにもなる。雪国では10cmなどという積雪ではない。ひと晩で30〜50cm積もることも珍しくなく、そうなると10トン以上もの重みが屋根の上で増えることになる。屋根の雪おろしがいかに大切かがわかるだろう。
|
| [このサイトについて] [お問い合わせ] | www.eco-online.org
|
|