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湿原、そのふしぎな世界 陸地でもなく、川や湖でもないふしぎな場所、湿原。そこには、湿原でしか見られないさまざまな植物が生え、虫や魚、鳥などが数多くくらし、四季折々の美しさをつくり上げています。本格的な秋を迎えるこれからのシーズン、木々の紅葉に勝るとも劣らない、眼下に広がる湿原の紅葉もすてきですよ。
ミズバショウが咲く広大な湿原の風景を見たことがありますか? 湿原とは文字どおり湿った野原。土全体が巨大なスポンジのように川の水やわき水をため、春から夏にかけて、ミズバショウをはじめ、ワタスゲやヒメシャクナゲなどのかわいい花々を一面に咲かせます。そして、トンボやチョウなどの昆虫、池や川に住む魚、それらをえさにするさまざまな鳥たちが四季を通じて訪れる自然の宝庫になっているのです。 どうやって湿原はできるの? 湿原はかつて湖や池でした。そこにヨシやガマといった水生植物がまわりから生えていきます。北海道や本州の高地などでは気温が低いために、草が枯れた後もくさらずに残り、「泥炭(でいたん)」という湿った土になってたい積していき、やがて水面をおおってしまいます。これが「低層湿原」と呼ばれるもの。その後、泥炭の層がさらに重なり、水面を超えて厚く盛り上がるようになると、ミズゴケがおおうようになって「高層湿原」と呼ばれるようになります。こうした湿原ができあがるには、数千年、時には1万年以上の長い年月がかかるのです。
現在、湿原の多くは北海道にありますが、かつては日本全国にたくさんの湿原がありました。それらの多くは、水田などの用途に開発されていったものが多いようです。湿原は、野生生物の微妙なバランスの上に成り立っており、最もこわれやすい自然の一つ。スポンジのようなやわらかい土は、一度でも踏まれると固くなって植物が枯れ、なかなか元には戻りません。湿原の多くに木道が敷かれているのは、ぬかるみの中でも歩けるようにすると同時に、貴重な自然を守るためなのです。 |
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