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illustration日本の自然を味わう。湿原、そのふしぎな世界

illustration 地名に見る湿原のなごり

たとえば、東京の都心部を見ると、渋谷、四谷などの「谷」、池袋、池尻などの「池」、駒沢、深沢などの「沢」といった字の付いた地名が多く見られます。これらは、かつてそこが湿地や池・沼だったことを今に伝えているもの。昔は、東京にもたくさんの湿原があったのですね。



illustration釧路湿原は、日本一広い大湿原

東京の都心部がすっぽり入ってしまうほど広大な釧路湿原は、北海道東部、釧路市の北に広がっています。この一帯は6千年前の縄文時代は海でしたが、ゆっくりと海が後退して、今のような湿原になりました。その80%が、ヨシやスゲのしげる低層湿原で、ミズゴケの生える高層湿原へ変わる途中の中間の湿原も見られます。特別天然記念物のタンチョウをはじめ、シマリス、キタキツネ、エゾシカ、イトウなど貴重な野生動物が数多くくらしています。

 

illustration 絶滅から救われたタンチョウ

江戸時代には、東日本のいたる所で見られたタンチョウ。しかし、人間によってとられすぎたため、一時は絶滅したものと考えられていました。ところが、約70年前に釧路湿原で十数羽のタンチョウが再発見され、多くの努力によって今では600羽を数えるまでに回復しました。ヨシやスゲを使って巣作りをするタンチョウにとって、湿原はかけがえのない住みか。10月から3月にかけては、阿寒郡鶴居村にあるタンチョウサンクチュアリでその姿を見ることができます。


illustration 山の中にこつ然と広がる尾瀬湿原

「夏がくれば思い出す…」で有名な尾瀬ヶ原。群馬・福島・新潟の3県にまたがって広がる標高1,400mの尾瀬の気温は、北海道北部の平地と同じくらい。関東からこれほど近いのに、北海道のような湿原が広がっているのはそのためです。春のミズバショウ、初夏のワタスゲ、夏のニッコウキスゲと四季折々の花が咲きほこります。秋を迎える今頃の尾瀬は紅葉のシーズン。クサモミジが一面に黄金のじゅうたんを広げ、幻想的な光景を見せてくれます。

illustration 世界の大切な湿地を守れ! ラムサール条約

水鳥がくらしたり、立ち寄ったりするために、なくてはならない大切な湿地を国際的に保護していこうという目的で、1971年にイランのラムサールで条約が結ばれました。それが「ラムサール条約」。加盟国はすでに、70ヵ国を数え、保護対象として登録された湿地は世界575ヵ所にのぼります。日本は1980年に加盟と同時に釧路湿原を初登録。2002年、愛知県の藤前干潟と北海道の宮島沼が登録され、13ヵ所となっています。



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