カシオン山
みなさん、こんにちは。
日本では秋分を過ぎ、秋の気配が濃くなってきた頃でしょうか。ここシリアも秋。日没時間が早くなり、朝晩が寒いくらいになってきました。シリアは大陸性乾燥気候です。気温は東京と大きく変わりませんが、降雨量がとても少ないです。
シリアの自然環境で、大変驚いたことが2つあります。
1つは“空に雲がない”ということです。
夏の日本は入道雲がもくもくと居座っていて、時には真っ黒な雨雲が流れてきます。そして秋になると空が高くなり、ウロコ雲に夕焼けが映える、そんな空だと思います。
シリアは春~秋には雨は滅多に降りません。雲はなく、ただただ、青い空が広がっています。毎日が“快晴”です。そして、この青い空にベージュ色の遺跡がよく映えます。
もう1つ驚いたことは、“山が茶色い”ということです。
私の住む首都ダマスカスには旧約聖書に登場する「カシオン山」という名前の山があり、ダマスカス市内からはカシオン山がどこからでも見ることができる、ダマスカスの象徴です。このカシオン山には木がありません。低木はありますが、中高木がなく、見た目は茶色です。降雨量が少ないことが原因です。シリアにも緑の多い地域はありますが、ダマスカスの子どもたちは、山の絵を描くと、色は茶色で描くそうです。
カシオン山のふもとにはたくさんの家が不法に建てられていて、夜になると「山の夜景」は大変綺麗です。
このように、「空には雲があり、山は緑である」という、日本ではあたりまえのように感じていたことが、あたりまえではないということに、シリアに来て気付きました。また、日本は自分が思っているよりもはるかに生態系が豊かで、まだ自然が残されている国だと気付くことができ、日本のことがもっと好きになりました。
さて、話題は変わり、シリアの旬なお話。
イスラム教では今はラマダン(断食月)にあたります。9月の新月の日から始まり、1ヶ月間続きます。
ムスリム(イスラム教徒)は、日の出から日没までの間、飲食は一切禁止されています。社会全体がラマダン仕様になり、会社や店は13時すぎには閉まり、人々はそそくさと家に帰って、日没までの間、昼寝などをして時間を潰します。日没の時間にはまちには人も車もなくなり、ほんの数分だけ、通りには動きも音もなくなる時間があります。なんだか神聖な気持ちになれる瞬間です。
ラマダンは食べ物が食べられない貧しい人のことを理解するという目的があるそうです。私は日本人の感覚として、イフタール(ラマダン中、日没後の最初の食事)を食べるときは水や食べものに「いただきます」の感謝の気持ちを改めて感じるようになりました。ムスリムたちは、これが「アッラー(イスラム教の神様)への感謝」になるのでしょう。いずれにしろ、感謝の気持ちを持つということは大切だと思います。
しかし、これが毎日だと気持ちも身体も慣れてしまって、善し悪しもあり。
10月半ばまで、ラマダンは続きます。
ラマダン明けにはシリアの環境教育の様子をお伝えしたいと思います。
それでは皆さん、マアッサラーメ(あなたと共に平安がありますように=さようなら)。

