07/10/25

シリアの環境意識

清掃キャンペーンでまち美化を呼びかける小学生

清掃キャンペーンでまち美化を呼びかける小学生

1ヶ月に渡るラマダン(断食月)が終わり、シリアにいつもの生活が戻ってきました。

ラマダンが明けてから3日間は「アイード フトゥル」という、国民の祝日です。日本で言う正月の三箇日のようなものらしく、皆、新しい服を着て親戚を訪問しあいます。
アイード中に、シリア国内に遺跡を見に行きました。遺跡に行く途中で小さな町に立ち寄りました。町の子どもたちが、景色の良い高台の斜面に連れて行ってくれたのですが、その斜面は一面ゴミ、ゴミ、ゴミ・・・。ショックでした。

「きれいな景色でしょう?」
と、子どもたち。でも足元は一面のゴミの山です。

「景色はきれいだけど、足元はきたないよ。どうしてここにゴミがあるの?」
と聞くと、子どもたちは

「車でこのまちを通る人が捨てていったりするんだ。きたないよね。」
と答えてくれました。
でも明らかに、この町の住人が捨てている生ゴミやプラスチックゴミもたくさんありました。
悲しいけれど、子どもたちはこのゴミ山の風景を当然のものとして、毎日見て育ちます。そして、自分もゴミを平気で捨て大人になったとき、その子どもも同じようにポイ捨てをするのです。

シリアに来て一番に目に付くのはやはり「ゴミの多さ」です。
ダマスカスの市内には清掃員がたくさんいて掃除をしているため、それほどひどい状況ではありませんが、市外ではゴミの山を見かけることが多いです。
どこへ行っても目に留まるゴミの山を見ると、自分たちのまち、国をきれいにする気持ちが育まれていないのかと疑問に思います。

しかし、そんなシリアにも「まちをきれいにしよう」という取り組みがあることを知りました。ダマスカス県主催の清掃キャンペーンが毎年アイード明けに行われているというのです。
今年はダマスカスの旧市街で行われ、私の活動先であるダマスカス県地方環境局はほとんどのスタッフが参加し、他にも清掃局、環境保護団体、旧市街にある学校の生徒など200名ほどが参加しました。
全員でゴミ拾いでもするのかなぁ?と思っていたら、そうではなく、垂れ幕や看板を持って、みんなで練り歩くというだけのものでした。
行進では、子どもたちがプラカードを持って「私たちは、このまちが好きです。だから、手を取り合って、みんなでこのまちをよくしていきましょう」という内容のことをアラビア語で呼びかけていました。
この呼びかけが、単なる言葉だけのものではなく、意識や行動としてシリアの人々に根付き、シリアの環境を自分のこととして考えることができるようになるには、やはり「教育」の力が大きいのではないかと感じます。
もちろんシリア人の中にもシリアの環境をよくしようと活動している人はいます。環境教育隊員としてシリアに来て、一人では何もできないけれど、シリア人と協力し合って、この国の環境について子どもたちやまわりの大人の視点をちょっと変えるきっかけづくりをしていければいいなと思います。
シリアの環境意識の向上、まだまだ先は長そうです。

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成山 博子(なりやま ひろこ)

兵庫県神戸市出身。関西学院大学文学部卒業。大学1年次に環境教育と出会う。大学卒業後は(財)神戸YMCA、(特)こども環境活動支援協会で、環境教育の仕事に携わる。...全文へ