08/1/25

シリアの公園と清掃活動

公園清掃キャンペーンの様子

公園清掃キャンペーンの様子

明けましておめでとうございます。2008年の年明け、皆さまはどのようにお過ごしでしょうか。シリアでは、12月19日から1月5日まで、平日を何日か挟んだものの、祝日と休日が連続していました。

シリアの季節は、日本と同じく冬。レバノンとの国境付近の山々は雪がかぶっています。ダマスカスの街中では時々小雨が降るぐらいで、雪はまだ降っていません。砂漠の国で雪?と奇妙に思われるかもしれませんが、シリアの気温は1年を通して東京と同じような変化をします。

 シリアの年末年始は特に変わった様子はなく、普段と全く同じです。1月1日のみが祝日で、学校や会社は休みになります。しかし、日本人にとってはやはり意味深い年末年始。私のシリアでの年越しは、紅白歌合戦(衛星放送で、日本の番組が放送されるチャンネルを見ることができます)を見て、年越しそうめんを食べました。

 私の2007年の仕事納めは12月29日。公園の清掃キャンペーンの実施でした。

 シリアには公立の大きな公園が多くあります。日本の公園のように木や花が植えられ、噴水や遊具があります。シリアには娯楽施設が大変少ないため、小さな子どもを連れた親子や若者、お年寄りなど様々な人が公園に集まり、くつろいでいます。夏には涼を求めて、夜遅くまで多くの人がピクニックをしています。芝生が人で埋まるくらいの公園利用率の高さや、真っ暗な中、子どもが遊具で遊ぶ様子に、シリアに来た当初はとても驚きました。

 市民がよく利用している公園ですが、通り同様にゴミのポイ捨てが目に付きます。ゴミ箱はたくさん設置してあるのですが、目に入らないかのようにゴミをポイ捨てしています。シリアの人は「公共の場を掃除するのは清掃員の仕事」という考えを持っているようです。

 そこで、「自分たちの手で、自分たちのまちをきれいにしよう」という気持ちを持ってもらいたくて、ダマスカスの中心部にある公園で毎月第4土曜日に、公園に集っている子どもたちとその保護者を対象に清掃キャンペーンを実施しています。活動の実施主体は、JICA、ダマスカス県清掃局、環境NGO、大学生のボランティアなどです。

 活動では、紙芝居やゲームで、「ゴミをポイ捨てしないように」ということや「自然を大切にしよう」といったメッセージを伝え、単調なゴミ拾いにならないように工夫しています。11月の活動では、清掃局のスタッフに、ゴミの捨て方やごみ収集のしくみについて簡単な講義をしていただいた後、その公園周辺を担当されている清掃員の方に、インタビュー形式で「どんなゴミの捨て方が困るか」「昔と今のゴミの種類や量の違い」などのお話を伺うことができました。小さな子どもたちには少し難しい話だったかもしれませんが、子どもたちの保護者を含め、公園に集っていた大人たちは大変興味深げにお話を聞いていました。

 この清掃キャンペーンはJICAの呼びかけで2年前から継続しており、今も私たち環境教育隊員が中心になって実施しています。しかし、シリア人スタッフの主体性を引き出すように働きかけてきたところ、最近では、清掃局のスタッフや学生ボランティアが活動のアイデアを出してくれるようになりました。少しずつ活動の主体をシリア人に移していき、JICAがいなくなっても活動が継続できるようにしていきたいと考えています。

 ここ数ヶ月、活動の最後に「私たちのまちをきれいに保つことを約束します」とアラビア語で描いた白い布の横断幕に、参加した子どもたちが手形を押すという活動をしています。この横断幕が手形でいっぱいになれば、まちがきれいになる・・・とは思いませんが、子どもたちを始め、シリアの人たちの心の中に“環境の種”を撒くきっかけになればよいと思います。

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成山 博子(なりやま ひろこ)

兵庫県神戸市出身。関西学院大学文学部卒業。大学1年次に環境教育と出会う。大学卒業後は(財)神戸YMCA、(特)こども環境活動支援協会で、環境教育の仕事に携わる。...全文へ