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先日、日本の小、中、高校の教員11名がシリアを訪れました。
これはJICAが主催する研修のひとつで、国際理解協力や開発教育に関心のある教員対象に、開発途上国の置かれている現状や国際協力活動の視察を通じて、その経験を帰国後の授業実践に生かし、生徒の国際理解の促進につなげてもらうことを目的としています。
私の配属先であるダマスカス県環境局にも視察に来られるということで、シリアにおける環境教育について紹介をすることになりました。
「エコクラブ」という小学校4校で実施している環境教育の巡回授業を見ていただけるとよかったのですが、あいにくシリアも今、学校は夏休み。そこで、シリアの学校教員を集めて意見交換を行うことで、学校現場における環境教育について日本の先生、シリアの先生が共に学びあうことができればと考えました。
この研修の受け入れは2年目で、昨年度も同じような意見交換会を企画しましたが、参加してくれたシリア人の先生は2名。学校が夏休み中は、教員も同じく夏休みで給料もありません。だから夏休み中に別の仕事に就く人や、旅行などでダマスカスを離れる人も多いのです。しかし今年は教育省の協力を得て、11名のシリア人小学校教員が参加してくれました。
環境局で巡回授業を行っている4校では、環境教育について教員が熱心ではないため、シリアでは、まだ環境教育を学校に取り入れることは難しいのかもしれないと感じていました。しかし驚いたことに、今回の研修で環境教育に関して非常に関心の高いシリア人の先生が集まってくれて、学校における環境教育について日本とシリアで活発な意見交換を行うことができました。
先生方の話を聞いていると、シリアで行っている環境教育は、日本に比べると視点が地球規模ではないようです。どちらかといえば環境衛生の取り組みで、自分の身を清潔に保つこと、教室にゴミを捨てないことなどを指導しているようでした。
日本の学校では、「総合的な学習の時間」などで環境について学ぶ機会があります。また、子どもから大人まで、テレビ、本などで地球環境保全に関する情報を見聞きする機会が非常に多くあります。このような違いを知り、日本は先進国として、地球規模の視点を持って地球環境に責任を持たなければならない立場にあるのだな、と改めて考えることができました。
シリアにおける環境教育は、まだまだ始まったばかりです。国として分別回収のルールや、リサイクルのシステムは確立されていません。ゴミのポイ捨ても日常茶飯事です。野生の動植物も少ないため、自然保護に対する感心も非常に低いと言えます。
だからといって、日本は上からの目線に立ってしまい「途上国は地球環境に興味を持っていない」と決め付けたり、「日本の環境教育は進んでいる」と奢ったりするのではなく、このような現状の途上国に対して日本はどのようなサポートができるのかを考え、実践することが必要であると感じました。しかし、その国の実情に合ったサポートを行うことは、実際はとても難しいことです。
意見交換の場で、シリアの先生方から「私たちは、日本のように環境について学ぶ特別な時間はもっていないが、環境教育は国語、社会、理科など、すべての教科において行うことができる。」という発言があり、非常に頼もしく感じました。
現在4つの小学校に2週間に1度のペースで環境教育の巡回授業を行っていますが、2週間に1度しか訪れない私たちよりも、子どもたちに毎日接している学校教員は、子どもたちの環境教育にとって、大きな影響力を持つことができると思います。今後もシリアの先生方の情熱を信じて、シリアの学校における環境教育を、シリアの先生と一緒に推進していきたいと思います。
写真① エコクラブの授業の様子。環境局のスタッフが、子どもたちに廃棄物に関するクイズを出している。
写真② 毎月実施している公園清掃活動にて。シリア人ボランティアが人形劇で、子どもたちにポイ捨て禁止をよびかける。

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