植樹祭には1,200名を超える人たちが集まった
2008年6月1日(日)、岩手県一関市室根町の「矢越山ひこばえの森」において、牡蠣の森を慕う会・室根町第12区自治会による第20回「森は海の恋人植樹祭」が開催された。
「森は海の恋人植樹祭」は、赤潮被害に悩まされていた宮城県気仙沼の牡蠣養殖漁師・畠山重篤さんが、海と川と森の関係に気づき、気仙沼湾に注ぐ大川の上流の岩手県室根村(現室根町)と人たちと手を携えて始めた広葉樹の植林活動。その20周年を迎える今年は、前日に室根長体育館で、国際日本文化研究センターの主催による記念シンポジウムも開かれた。
植樹祭当日は、曇り空で小雨もぱらつく天気だったが、開催時には青空も見え、まずまずの天気に恵まれた。新緑の森にひときわ鮮やかな大漁旗がいくつも翻る光景はとても感動的だった。ちなみに20年間で、雨により中止になったことは一度もなかったという。今回の参加者数は、なんと1200人超。地元の森林愛護少年団の子供たちからお年寄り、気仙沼の漁師の皆さん、ご家族連れ、職場の仲間たちなど多種多様な人たちが森づくりに参加した。もっとも遠方からの参加者は熊本県の海苔養殖漁師さん。やはり、海をきれいにするための植林活動をしていて、今回は視察も兼ねての参加だそうだ。
用意された広葉樹の苗は1000本。この他に参加企業や有志の方が持ち寄った苗もあり総数は1,200本ほどになった。すべて在来の広葉樹で、花や実をつけるものを中心に43種類ほどの樹種を植林し、同時に昨年植林した場所の下草刈りも行った。
20年間の植林の成果はいろいろな形で表れているという。もちろん川の水質は改善され、赤潮に悩まされていた海も青さを取り戻した。畠山さんによると、水質がよくないと見ることができないウナギが数十年ぶりに海に帰ってきたという。植樹祭の当日も、「今朝、家を出る前に大きなウナギを見ました!」とうれしそうに開会式で語っていた。また、川や海だけでなく山で暮らす人、海で暮らす人の意識も変わってきた。最初は、何で漁師のために木を植える?何で海をきれいにするために山に木を植える?といぶかしがっていた人たちも畠山さんたちのご努力で、森と川と海の関係を理解し、広葉樹の森の大切さを実感しているという。
畠山さんは、「日本列島は背骨の脊梁山脈から二級河川を含めて2万1千の川が日本海と太平洋に注いでいます。森は海の恋人という言霊が全国にこだまし、日本中の森と川と海が再生されることを願っています」と語っている。行政等の力を借りずに海の民と山の民が手を取り合って進めてきた植林運動。この運動がモデルケースとなって全国に広がり、日本が本来の自然を取り戻すことを切に願う。
取材・文:岩崎 唱

用意された1,200本あまりの苗を植える
子どもたちも汗を流して植えました
- 森は海の恋人(牡蠣の森を慕う会)
http://www.kakinomori.jp/
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