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vol.5「環の音楽〜Music In The Park〜」



空を見上げると柔らかな青が広がっていた。もう秋もなかばだというのに、ひなたにいると汗ばむような陽気。よく晴れた11月3日、駒沢公園内広場で“環の音楽Music In the Park”が行われた。

環境問題ってよく知らないし、自分からは少し遠いお話、という人も多いはず。この“環の音楽”には、そんな人たちにも音楽を愛する気持ちを通して、少しずつ環境について考えて欲しい、そんな想いが込められている。


燦々と照らす太陽の下、ステージに大樹が登場した。ギターのネックやボディを巧みに使って叩き、ギター一本から出る音とは思えないインストルメンタルは、軽快かつ奥行きのある表情豊かな演奏で、目も耳も楽しませてくれた。

そして次に、CORNERの磯部正文がソロでステージに上がる。バンドのときとはまた違った、独自の歌詞の世界と熱い歌声がアコースティックギターに映え、時折吹くさわやかな秋の風に溶け、心地よく会場を包んだ。

日差しも落ち着いた昼下がり、お客さんたちの温度を探りながら、『MUSIC JUNKY』でコール&レスポンスを楽しみ、会場を盛り上げたのがsaigenjiだ。さらに、沖縄民謡の『てぃさぐの花』をしっとりとカヴァーし、空気を二様三様にも変えて見せた。


『幸せであるように』、ここにいるみんなと繋がっているすべての人が幸せであるように。浜崎貴司が最初に披露したのがこの曲。切なくも優しい丸みを帯びた歌声で、あらゆるラヴソングを大切そうに歌った。「すごく難しくて何回も練習してきたんですけれど・・・」と照れくさそうに言いながら、Misiaの『Everything』をシンプルなギターアレンジで歌う。振り返って空を見ると、雲の切れ間から光がカーテンのように差し込み、カラダもココロもなんとも言えない幸福感に満ちていた。

今回唯一の女性アーティストのLeyonaは、ギターに山本タカシを迎え、ツインギターのパフォーマンスを披露した。Leyonaの魅力である爽やかなハスキーヴォイスと、奏でるピースフルなサウンドは、どんな時間でもどんな場所にも関係なく、聴いている人を幸せにしてくれる不思議な力がある。

陽が傾き、冬の気配が感じられる冷たい空気に変わり始めた頃、弦楽器奏者の渡辺等とともにAIRが登場。これまでのステージとは違った、マンドリンやチェロの温かい音色とAIRの哀愁漂う囁くような歌声が、ゆっくりと体に染みこんでいく。


今回の“環の音楽”は弦楽器と歌声のみで構成されたイベントだった。音楽と環境を結びつけたイベントは増えてきているが、ここまでシンプルなものはなかなか無い。普段、様々にアレンジされた音に触れている人には少し物足りないかも。そう感じる人もいると思う。でも、シンプルだからこそ、純粋に音楽を楽しみ、都会にいるとなかなか気づくことのできない一日の空気や景色の変化に出会うこともできるのだ。モノに囲まれた暮らしのなかで見失いがちな生命の輝き。音楽だけを楽しむのではなく、音楽と環境が作り出す空間を楽しむことが、私たち気持ちや暮らしを豊かにしてくれるのかもしれない。

「楽しかった」と笑顔で帰っていく人々。残された会場を見渡してみると、ゴミひとつ落ちていないきれいな会場が、犬や子供たちが元気に走り回る、普段の広場へと姿を変化させていた。

写真:黒須一彦 / 取材・文:町田佳子

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VOL.3「環の音楽in横浜」当たり前の幸せな暮らしを
VOL.3「環の音楽in京都」音楽と環境、そして日本文化の融合
VOL.1 2004.12.4「金沢市民芸術村」/2004.12.12「SHIBUYA-AX」

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