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オーガニックタイム を提供する 宿 お宿 吉水

創業2002年、日本の今と昔の中心である京都と銀座で宿屋を営む中川言一さん。
この宿屋ではオーガニックの食事、空気、空間、それに調和したおもてなしでお客様に「オーガニック・タイム」を提供しています。
珪藻土をはじめ和紙や竹など自然由来の素材で造られた「吉水」で、人を通して感じるオーガニック、与えるサービスを通じて知るオーガニックについてお話をお伺いしました。

――歴史ある街・京都と、現在の流行の発信地である銀座。一見、両極端とも思えるこの地で、まさに「オーガニック」という共通のコンセプトで宿屋を営んでいらっしゃいますが、どんな場面で “オーガニック感”をお客様に伝えていますか?

中川さん(N):うちの宿屋のお客様は、「オーガニック」ということをほとんど意識せず、もしくは知らずにおこしいだいている方も少なくありません。玄関を入ったその瞬間から空気の質をはじめ、おもてなしさせて頂く全てにおいて『何かが明らかに違う』と五感で感じてくださるように心がけています。そして、お客様の驚きや感動を通じて、こちらが学ばされることのほうが多いですね。

――具体的には、どんなことですか。

(N):食に関しては、その食材の味が最も強く一番うまく引き出される土地で有機栽培されたものをお出ししています。割烹旅館というと豪勢な食事を期待してこられる方もいらっしゃいますが、シンプルな調理法、素朴な盛付けからは想像もつかない豪快でインパクトのある素材本来の味にがっかりするどころか、皆さんとても驚かれます。その喜びや感動が、実はお客様からの評価につながります。サービスを提供する側が最も気を使う徹底したマナーや挨拶などを超越した「なにか」がそこにあるように感じています。

――中川さんご自身、以前はホテルにお勤めになっていらしたそうですが、同じホスピタリティー業でその当時と今のお仕事では何か違いはありますか?

(N):「おもてなし」という言葉の意味が明らかに違います。ホテルでは礼儀正しい態度や大きな声での挨拶など「かたち」に重きを置いたサービスがおもてなしの基本。お宿吉水では過剰な気遣いや振る舞いではなく、お客様を迎えるにあたって徹底していること、たとえば、混じりけのない澄んだ空気、味が確かで旬に添った正直な素材、直接肌に触れるアイテムをオーガニックで揃えるといった形で表せない「なにか」に、もてなしの姿勢や真心をそそぎます。お客様にはこちらから語らずとも、滞在しているお宿の空気を通して真の「おもてなし」に満足してくださいます。

――「オーガニック・タイム」という表現をお使いになられていますが、これはどういった意味ですか?

(N):その言葉の通り、オーガニック=本質的なものに触れている時間のことです。私は1人でも多くの方にとって、この時間が少しでも長くなるように、何かできないかなと考えています。それには有機栽培の野菜や果物を食べるその瞬間だけでなく、衣食住を通して常にオーガニックな「モノ」や「コト」を取入れられるような環境づくりが大切だと思っています。お宿吉水はそれをいつでも提供できる場所でありたいですね。

中川言一さんは母親でもある女将さんと共に、新しい表情を持つ滞在空間への取り組みを考案中とのこと。まだ若い中川さんがこれからどう「オーガニック&宿屋」の世界を拡げていくのかとても楽しみです。

文・写真 岡村貴子


お宿 吉水
http://www.yoshimizu.com/index.html






中川言一

東京都・新宿区生まれ。大学卒業後都内外資系ホテルを経て家業の宿屋業に従事する。快楽主義の象徴となってしまった宿泊業を見直し、21世紀型宿泊業は日常の衣食住へのヒントを提供する場と言い切る。現在は石川県加賀市の旧国民宿舎再生事業の為、東京と往復する日々が続く。

お宿 吉水

「日本の文化、日本人が本来持ち続けてきた生活様式を身近に感じられる空間」を実現するため設計・建築された。内装は女将自ら設計に携わり、竹のフローリング、無農薬の井草から編まれた畳、珪藻土で塗られた壁や天井…料理だけでなく布団や枕にいたるまでオーガニックというこだわりよう。銀座、京都、石川県加賀にお宿を構える。
http://www.yoshimizu.com/index.html

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