ユニクロがソーシャルビジネスで途上国を支援!
ユニクロとグラミン銀行がタッグ
今年、ビジネスの世界で話題になった言葉にBOPがあります。「ベース・オブ・ザ・ピラミッド」もしくは「ボトム・オブ・ザ・ピラミッド」の略語で、世界の所得別人口ピラミッドの底辺層を意味します。経済産業省がまとめた資料によれば、世界人口の約7割にあたる約40億人が、年間所得3,000ドル未満の収入で生活しています。しかし、その市場規模は5兆ドル!このBOP層の生活を向上させる商品を手がけるビジネスが世界で注目を浴びているというわけです。
BOPのように社会的な課題解決に取り組むビジネスを「ソーシャルビジネス」と呼びますが、この分野で大きな話題となったニュースがあります。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏を総裁とするグラミン銀行と合弁企業を設立すると発表したのです。報道によればバングラデシュの貧困層向けに衣料品の製造・販売をする事業を手がけると言います。
日本の蚊帳がアフリカを救う!
経済の底辺にいる人たちに対してビジネスが成り立つのかと思う人もいるでしょうが、すでにいくつかの成功事例が生まれています。日本人が取り組んだマラリア対策としての蚊帳の普及なども有名です。アフリカのサハラ砂漠以南を中心に年間約3億人がマラリアにかかり、そのうち約100万人が死亡していると言われます。子どもたちの多くがその犠牲になります。この病気の蔓延を防ぐには病気の媒介となる蚊との接触をいかに減らすかが重要。その対策に日本では姿を消しつつあった蚊帳が有効であることがわかったのです。こうして国連からの寄付などをベースに日本の企業やNGOによる蚊帳の販売や寄付が始まりました。その結果、マラリアで亡くなる人たちが減少し、2015年には撲滅も可能と言えるまでに状況が改善しました。
みなさんご存じのように高齢化が進む日本のような先進国の市場は縮小しつつあります。一方、中国やインドの発展に象徴されるように新興国や途上国の市場は大きく拡大を始めました。そんな時代のうねりがBOPビジネスを後押ししているとも言えるでしょう。
海外の企業もこのビジネスに対する取り組みを始めています。たとえばユニリーバは洗剤などを小袋に分けて販売することで購買のハードルを下げ、「沢山の人々」×「少しずつ買う」×「毎日使う」=「大量の消費」というビジネスの構図をインドで成立させました。その結果、現地の公衆衛生の取り組みに効果があったと言われています。明治以降、貧しかった頃の日本の企業家たちも社会をよくするために会社を興しました。まさにBOPビジネスはそれを世界規模でやろうと言うことなのだと思います。
途上国に雇用を生み出すフェアトレード
その反面、途上国では女性を中心にまだまだ仕事を手にすることができない人がたくさんいます。そうした人たちを雇用して事業展開するビジネスもあります。これがフェアトレードと言われる事業です。フェアトレードを手がける事業家は搾取されがちな途上国の労働者に対し、適正な利益を分配し、国際間での公正なトレードを目指します。
先ほど紹介したBOPビジネスが大手企業を中心に盛り上がっているのに対し、フェアトレードは小さなNGOや社会起業家たちが中心です。しかし、今回のユニクロのビジネスモデルは、グラミン銀行の借り手である農村部の女性を通じて現地生産した衣料品を販売するなど、しっかりと現地の雇用を生み出しますから、フェアトレードとBOPの中間に属するような事業であると言えます。そういう意味で一歩踏み込んだ事業であると言えます。ぜひ、成功させてもらいたいものです。
フェアトレードは地球環境問題との関係も深く、様々な取り組みも生まれて来ています。これについてはまた別の機会にでも紹介しようと思います。
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