カルチャー

2017年

10月

26日

#09 エコロジーソングス <Black Sabbath / Into The Void>

Black Sabbath / Master of Reality (1971)
Black Sabbath / Master of Reality (1971)

悪魔崇拝という言葉は彼らのためにあるのではというほど、メタルの創始者「ブラックサバス」には悪魔のイメージがつきまとっている。

しかし彼らの本質はジャズを下敷きにしたブルースロックであり、また歌詞も悪魔から逃げまどい神に助けを求める(黒い安息日)など、当時のイギリスのホラー映画ブームに則ったまでで、本当に悪魔を信仰しているわけではない。

この曲は初期サバスの代表作「Master of Reality」を締めくくる大曲であり、3rd以降のサバスお得意の組曲構成のひな型となったと言っても過言ではない。

ただ流し聞きしているだけではなんだかおどろおどろしいという印象しか浮かばないかもしれないが、実は度重なる環境汚染により地球が壊滅的な状態になってしまったため、人類はロケットで脱出するという非常に警鐘的な内容の歌詞になっている。

終盤の「地球はもはやサタンの墓場となるであろう」という一節を聴いてなお、サバスを悪魔崇拝集団だと思っているのなら考えを改めるべきだろう。

文 / 上岡 ケン

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#09 エコロジーソングス <Black Sabbath / Into The Void> (木, 26 10月 2017)
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#08 エコロジーソングス <George Harrison / All Things Must Pass> (土, 26 8月 2017)
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#07 エコロジーソングス <西岡たかし / 砂漠> (土, 26 8月 2017)
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#06 エコロジーソングス <Marvin Gaye / Mercy Mercy Me (The Ecology)> (土, 26 8月 2017)
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#05 エコロジーソングス <The Beach Boys / Don't Go Near the Water> (土, 26 8月 2017)
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<アースタロット>歌のチカラ (日, 30 7月 2017)
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#04 エコロジーソングス <久保田麻琴 / 時は近ずいて> (木, 20 7月 2017)
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<アースタロット>星はなんでも知っている (木, 29 6月 2017)
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#03 エコロジーソングス <DEVO / Planet Earth> (金, 23 6月 2017)
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#02 エコロジーソングス <Paul McCartney / Junk> (水, 14 6月 2017)
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2017年

8月

26日

#08 エコロジーソングス <George Harrison / All Things Must Pass>

George Harrison / All Things Must Pass (1970)
George Harrison / All Things Must Pass (1970)

ビートルズ第三の天才ジョージ・ハリスンのソロ初アルバムからの表題曲。

ビートルズ時代から見え隠れしていた東洋思想的な世界観の完成を見た作品。

ジョージ・ハリスンという人物はレノンマッカートニーとは違い、抑圧されて才能を発揮するというタイプではなかったようで、ソロになってからの彼の作品はとても開放的な印象を受ける。

全編を通して貫かれる「永遠に続くものなど無い」というメッセージが流れる裏では西洋的なオーケストラが響いており、前述のとおり東洋思想をテーマとした作品なのだが、曲としてはエスニックなエッセンスなどは入っていない。

それは彼の中でシタールやタブラを導入して「みました」という興味の初期段階は過ぎ去り、血となり肉となった事を表しているのだろう。

文 / 上岡 ケン

2017年

8月

26日

#07 エコロジーソングス <西岡たかし / 砂漠>

西岡たかし / 砂漠 (1969)
西岡たかし / 砂漠 (1969)

はっぴいえんどと並び立つ偉大なグループ五つの赤い風船のリーダー西岡たかしの放ったURC第2弾シングル。

「遠い世界に」に代表される比較的前向きな作品を主に発表していた五つの赤い風船の活動の合間に西岡はポツポツと録音を残している。

それは、思いがけなく時代の申し子と化してしまった赤い風船の活動での鬱憤を晴らすかのように暗く、前衛的な作品群であった。

「砂漠」は第1弾シングルよりもシンプルな弾き語りで幾分か聞きやすくなっているが、赤い風船でのヒット曲「遠い世界に」と偶然にも対照的な歌詞と曲調だ。

たとえば「砂漠」では、

コンクリートに囲まれた現代の街を「砂漠」と表現し、

「この世界とは違う世界」の「本物の大地」に触れるために「暗い海」に「一人で船出」するという構成となっている。 

一方「遠い世界に」は 

「遠い世界」に旅に出ようか / 赤い風船に乗って「雲の上」を歩いてみようか / 「僕たち若者」 / 「みんなで歩こう」などそれぞれに対照的な言葉が入っている。

 

「遠い世界」というのは遠いだけであって地続きなことが伺えるが、「砂漠」では異世界のことを歌っているように思える。

同様に「雲の上」に「本物の大地」「暗い海」、「みんなで歩こう」に対して「一人で船出」と、レコーディング時期なども鑑みれば「砂漠」は、実質的に「遠い世界に」の裏返しと言ってもいいだろう。

「私の足は地に浮いている」「私の肌に感じる土が欲しい」という節から考えると、五つの赤い風船の活動に重圧を感じていたのではないだろうか。

 

西岡たかしはあまりにも明るい「雲の上」から「本物の大地」に降りたくなったのかもしれない。

文 / 上岡 ケン

2017年

8月

26日

#06 エコロジーソングス <Marvin Gaye / Mercy Mercy Me (The Ecology)>

Marvin Gaye / What's Going On (1971 )
Marvin Gaye / What's Going On (1971 )

モータウンを代表するミュージシャン。稀代のメロディーメイカー、マーヴィン・ゲイ。

彼を称える言葉は数あれど、最先端の思想を親しみやすい音楽に乗せて見事大ヒットさせたその手腕も忘れてはならない。

 

ナット・キング・コールに憧れていたということもあって当初はポピュラー歌手を標榜していた。だが、売り上げが伸びず失意のうちにソウル歌手に転向。

しかしそのポピュラー時代の経験が、彼の甘く柔らかい声の糧となったことは言うまでもない。

その後、ソウル史上最高のデュエットと言われるタミー・テレルとのコンビによって快進撃を続けていくマーヴィンだが、タミーの突然の死によってまたも絶望に突き落とされてしまう。

 

失意のうちにあったマーヴィンが作り上げたアルバムが「What's Going On」。初めて聞いた人がまず驚くのは表題曲を除いて全ての曲が繋がっていることだろう。

しかも、実質的に全曲「What's Going On」のアレンジであり、違和感なく最後まで聞きとおすことができる凄まじい完成度を持ったアルバムだ。

「Mercy Mercy Me」は、丁度そのコンセプトが途切れるA面最後に収録されている。

とても分かりやすい言葉で環境問題について語っている内容だが、珍しいのは神に向かって「どうかお許しください」と、懺悔をしているような内容だということ。

彼が環境問題というものをいつどこで意識したのかは分からないが、このような内容の歌の始まりが、非常に宗教的で内省的な歌詞を持っていることは興味深い。

文 / 上岡 ケン

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2017年

8月

26日

#05 エコロジーソングス <The Beach Boys / Don't Go Near the Water>

The Beach Boys / Surf's Up (1971)
The Beach Boys / Surf's Up (1971)

低迷するバンドを救った起死回生の作品「Surf's Up」。その冒頭に収録されている1曲。

ブライアン・ウィルソンはビーチボーイズの柱である、そしてもう一本の柱がマイク・ラヴだ。

内向的なブライアン、外向的なマイクの二人が合わさってビーチボーイズは美しいハーモニーを奏でている。

この曲は非常に奇妙な境遇にある。アルバムタイトルで「波が来てる」と言っておきながら、「水(海)に近づくな」と突き放される。他ならぬThe「Beach」Boysのアルバムで、だ。

もちろんこれには理由がある。

70年代は愛と平和が退行した年であり、音楽もそれを表すように非常に暗くなっていった時代だった。

前作で愛と平和をテーマにして“大失敗”した彼らは、売り上げのため仕方なく新しいマネージャーと共にメッセージソングを作成することになったのだ。

しかし意外にも乗り気だったのはマイク・ラヴ。彼は当時としては珍しく、環境問題に関心を持っていた数少ないミュージシャンだった。

歌詞は水を救うために今すぐ意識を変えようじゃないかという割と控えめなもの。とはいえ、70年代に環境問題を歌ったことはかなり重要だ。

文 / 上岡 ケン

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