カルチャー

2017年

8月

26日

#08 エコロジーソングス <George Harrison / All Things Must Pass>

George Harrison / All Things Must Pass (1970)
George Harrison / All Things Must Pass (1970)

ビートルズ第三の天才ジョージ・ハリスンのソロ初アルバムからの表題曲。

ビートルズ時代から見え隠れしていた東洋思想的な世界観の完成を見た作品。

ジョージ・ハリスンという人物はレノンマッカートニーとは違い、抑圧されて才能を発揮するというタイプではなかったようで、ソロになってからの彼の作品はとても開放的な印象を受ける。

全編を通して貫かれる「永遠に続くものなど無い」というメッセージが流れる裏では西洋的なオーケストラが響いており、前述のとおり東洋思想をテーマとした作品なのだが、曲としてはエスニックなエッセンスなどは入っていない。

それは彼の中でシタールやタブラを導入して「みました」という興味の初期段階は過ぎ去り、血となり肉となった事を表しているのだろう。

文 / 上岡 ケン

2017年

8月

26日

#07 エコロジーソングス <西岡たかし / 砂漠>

西岡たかし / 砂漠 (1969)
西岡たかし / 砂漠 (1969)

はっぴいえんどと並び立つ偉大なグループ五つの赤い風船のリーダー西岡たかしの放ったURC第2弾シングル。

「遠い世界に」に代表される比較的前向きな作品を主に発表していた五つの赤い風船の活動の合間に西岡はポツポツと録音を残している。

それは、思いがけなく時代の申し子と化してしまった赤い風船の活動での鬱憤を晴らすかのように暗く、前衛的な作品群であった。

「砂漠」は第1弾シングルよりもシンプルな弾き語りで幾分か聞きやすくなっているが、赤い風船でのヒット曲「遠い世界に」と偶然にも対照的な歌詞と曲調だ。

たとえば「砂漠」では、

コンクリートに囲まれた現代の街を「砂漠」と表現し、

「この世界とは違う世界」の「本物の大地」に触れるために「暗い海」に「一人で船出」するという構成となっている。 

一方「遠い世界に」は 

「遠い世界」に旅に出ようか / 赤い風船に乗って「雲の上」を歩いてみようか / 「僕たち若者」 / 「みんなで歩こう」などそれぞれに対照的な言葉が入っている。

 

「遠い世界」というのは遠いだけであって地続きなことが伺えるが、「砂漠」では異世界のことを歌っているように思える。

同様に「雲の上」に「本物の大地」「暗い海」、「みんなで歩こう」に対して「一人で船出」と、レコーディング時期なども鑑みれば「砂漠」は、実質的に「遠い世界に」の裏返しと言ってもいいだろう。

「私の足は地に浮いている」「私の肌に感じる土が欲しい」という節から考えると、五つの赤い風船の活動に重圧を感じていたのではないだろうか。

 

西岡たかしはあまりにも明るい「雲の上」から「本物の大地」に降りたくなったのかもしれない。

文 / 上岡 ケン

2017年

8月

26日

#06 エコロジーソングス <Marvin Gaye / Mercy Mercy Me (The Ecology)>

Marvin Gaye / What's Going On (1971 )
Marvin Gaye / What's Going On (1971 )

モータウンを代表するミュージシャン。稀代のメロディーメイカー、マーヴィン・ゲイ。

彼を称える言葉は数あれど、最先端の思想を親しみやすい音楽に乗せて見事大ヒットさせたその手腕も忘れてはならない。

 

ナット・キング・コールに憧れていたということもあって当初はポピュラー歌手を標榜していた。だが、売り上げが伸びず失意のうちにソウル歌手に転向。

しかしそのポピュラー時代の経験が、彼の甘く柔らかい声の糧となったことは言うまでもない。

その後、ソウル史上最高のデュエットと言われるタミー・テレルとのコンビによって快進撃を続けていくマーヴィンだが、タミーの突然の死によってまたも絶望に突き落とされてしまう。

 

失意のうちにあったマーヴィンが作り上げたアルバムが「What's Going On」。初めて聞いた人がまず驚くのは表題曲を除いて全ての曲が繋がっていることだろう。

しかも、実質的に全曲「What's Going On」のアレンジであり、違和感なく最後まで聞きとおすことができる凄まじい完成度を持ったアルバムだ。

「Mercy Mercy Me」は、丁度そのコンセプトが途切れるA面最後に収録されている。

とても分かりやすい言葉で環境問題について語っている内容だが、珍しいのは神に向かって「どうかお許しください」と、懺悔をしているような内容だということ。

彼が環境問題というものをいつどこで意識したのかは分からないが、このような内容の歌の始まりが、非常に宗教的で内省的な歌詞を持っていることは興味深い。

文 / 上岡 ケン

続きを読む

2017年

8月

26日

#05 エコロジーソングス <The Beach Boys / Don't Go Near the Water>

The Beach Boys / Surf's Up (1971)
The Beach Boys / Surf's Up (1971)

低迷するバンドを救った起死回生の作品「Surf's Up」。その冒頭に収録されている1曲。

ブライアン・ウィルソンはビーチボーイズの柱である、そしてもう一本の柱がマイク・ラヴだ。

内向的なブライアン、外向的なマイクの二人が合わさってビーチボーイズは美しいハーモニーを奏でている。

この曲は非常に奇妙な境遇にある。アルバムタイトルで「波が来てる」と言っておきながら、「水(海)に近づくな」と突き放される。他ならぬThe「Beach」Boysのアルバムで、だ。

もちろんこれには理由がある。

70年代は愛と平和が退行した年であり、音楽もそれを表すように非常に暗くなっていった時代だった。

前作で愛と平和をテーマにして“大失敗”した彼らは、売り上げのため仕方なく新しいマネージャーと共にメッセージソングを作成することになったのだ。

しかし意外にも乗り気だったのはマイク・ラヴ。彼は当時としては珍しく、環境問題に関心を持っていた数少ないミュージシャンだった。

歌詞は水を救うために今すぐ意識を変えようじゃないかという割と控えめなもの。とはいえ、70年代に環境問題を歌ったことはかなり重要だ。

文 / 上岡 ケン

続きを読む

2017年

7月

30日

<アースタロット>歌のチカラ

CC BY-NC 2.0 by William Chew
CC BY-NC 2.0 by William Chew

3Dで描かれた絵を見ようとした時、

どんなに頑張っても立体で見えないのに、

鼻歌を歌うと

見えなかったはずの絵が

突然くっきりと

浮き上がってくることを発見しました。

 

歌には何か不思議な秘密があるのかもしれない、

と感じたことを覚えています。

 

マクロビオティックを広めた久司道夫先生も

1日1回歌を歌いなさいとおっしゃっていたそうです。

 

エコロジーオンラインでも、

『パーソナル・ソング』という

素晴らしいドキュメンタリー映画を

おすすめしていることですし、

今回は、歌についてタロットに聞いてみましょう。

 

CC BY-NC-ND 2.0 by yen lung chen
CC BY-NC-ND 2.0 by yen lung chen

 

 

人間にとって「歌」は、

実態のない、まあ、夢のようなものとして

認識されているかもしれません。

幻想の世界のような。

 

しかし、歌というものは

実際、人間にかなり強く作用することができるのだそうです。

 

 

まず、

人のエネルギーを地球に

しっかりとつなぐ

グラウンディングの力。

 

 

そして、それにより、

我々は怖いものがないような

解放された気持ちになり、

グッと心を開くことができるのだそうです。

 

なぜ歌を歌うだけで、地球とエネルギーが繋がるなんてことができるのか?

 

聞いてみましたが、

 

ただそういうことになっている、とのことで、

そこらへんは人間が知る必要はないようです。

 

 

「歌を歌うのではなく、聴くだけでも同じ作用が?」

と聞いてみたところ、

それだと参加していることにならないのか、

やや孤立感のようなものが漂い、

波動は上がるが

自分で歌う時ほどには心は開かないとのこと。

 

地球へのグラウンディング具合もやや弱く、

ポジティブな感じはあるけれども、

何も怖くない、怖がる必要はない、

という解放まではたどりつかないようです。

 

グラウンディング(地球と結びつく)が

しっかりと行われると、

すべてが自分の味方のように思えて心が開く、、、

 

ならば歌は、聴くだけではなく一緒に歌うべきでしょう。

世界の全てが自分の味方になるのなら。

 

それは、恐ろしいと思われているこの重たい現実を

軽~く軽く、そして楽しく生きていくことのできる

武器にさえなると思われます。

 

 

 

個人的なことで恐縮ですが、

私は以前、かなり本気で詩を書いていたことがあります。

どれだけ純粋な言葉で書くことができるか?!

を追求しようとしていました。

 

しかし、頭の中に色々なことがあるときは、

どんなに純粋な世界を開こうとしても、

グダグダとありふれた言葉で澱んでいる

薄汚い場所を這い回るだけ。

 

そんな時に、試しに爆音で

プライマルスクリームを聞いてみたところ、

突如、重たい雲を突き抜けるように

純粋な言葉をつかむことができました。

 

あれは一体なんだったの?

 

 

タロットで聞いてみますと、

 

歌は、人間を下界から引き離すことができるそうです。

下界というのは、

色々なルールに縛られていると

人間が信じているこの世の中、

ということです。

 

それを信じ込んでシールのようにべったりと

下界にくっついている我々の心を

ひっぱり剥がしてくれるのだそう。

とても簡単に。

あまりにも簡単にそれをやってくれるものだから、

我々は歌というものを

ちょっとナメているところがあるのかもしれないですね。

 

 

 

歌は祈りにも近いんじゃないですか?

 

と、思いついて聞いてみました。

 

祈りというよりは、

人間が歌を歌えば、それはなぜか

「み~んなみんな仲間だよ!愛してるよ!」という

パラダイス表明をすることになるのだそうです。

 

「地球と自分、そしてあらゆるものはひとつなんだね!」

というラヴな想い(波動?)が地球へと伝わって、

地球からも愛が返ってきます。

 

それは一過性の恋愛ではなく、

永久不滅的な愛の交歓のようなもの。

 

だから地球は人間にもっと好きなように

歌を歌ってほしいようです。

 

日本語や何かの言語じゃなくてもよくて、

楽しいパラダイス表明ができるなら

意味不明な言葉を発してもいいくらい、

大胆に、自由に。

 

 

そして悲しい時やつらい時も、

ぜひ歌ったらいいそうですよ。

 

心を広げて全てを受け入れることができるから。

そうしたら、

実は悲しいことなんてなかったとわかるから。

 

なぜなら、我々は

地球や宇宙に完全に守られた存在なので

傷つくことなど起こりようがないそうなのです。

 

傷ついたというのは、

私たちの勝手な認識においてだけ。

 

 

そうして歌を歌って

地球といつでもつながっていたら、

我々は赤ちゃんのように

安心することができるそうです。

 

 

 

映画『パーソナル・ソング』では、

認知症を患った男性が音楽を聴いて

過去の記憶を取り戻し、こう語っていました。

 

「(歌は)愛を感じさせてくれる。

 

世界には音楽が必要なんだ。

 

美しい音楽を聴いて歌う。

 

たくさんの愛と夢を感じる。

 

神が私を祝福してくれたんだ」

(映画『パーソナル・ソング』より引用)

と。

 

神というのものがほんとうに存在するなら、、

 

歌を歌うことで

なぜ人間が地球に

愛を送ることができる状態になれるかといえば、

 

歌うその瞬間に、

私たちは神からの愛を感じているから、

なのかもしれません。

 

続きを読む

カルチャー記事一覧

«一つ前のページへ戻る