【トロント発】国連事務総長がグリーン経済への投資を促す

 国連事務総長バン・キムン(潘基文)はカナダのトロントで開催されたG20サミットで、ミレニアム開発目標(MDG)を2015年までに達成するために、クリーンエネルギーとグリーン経済への更なる投資を促した。

 「気候変動が進む中で、行動を起こさないことに対しての"リスクとコスト"は年々増すばかりだ。行動が遅れれば遅れるほど、代償は高くつくことになる」と、事務総長は6月27日の会談をかねた昼食会でG20のリーダー達に対して語った。

 

 同日行ったスピーチでは、デンマークのコペンハーゲンで昨年末に開催された国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)は確かに前進したと述べ、更に、今年11月末にメキシコのカンクンで開催予定のCOP16では、「意義があり現実的な結果を得る」ために、さらに前進するよう呼びかけた。

 

 更に、コペンハーゲンで各国の同意に基づき、開発途上諸国が気候変動を緩和するための援助として、先進国が約束した年間1000億ドルを支払うよう、更なる努力を促した。事務総長は今年2月にこの資金の実質的な調達法を検討するためのハイレベル顧問パネルのメンバーを選び、資金に信用性と透明性があり、気候変動の緩和に実効性があるものになるよう求めた。

 

 欧州理事会長と欧州委員会長との会談では、海外開発などへの支援を含む、MDGへのコミットメントに勇気付けられたと伝える一方で、2015年までにMDGの8つのゴールを達成するためには、更なる投資が必要だと強調した。8つのゴールには、環境の持続性を確保することのほか、女性に権利を与えること、健康と教育を向上させること、貧困と飢餓を減少することなどが含まれる。

 

文:温野 まき 翻訳サポート:中野 よしえ

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