BP原油流出、テキサスに迫る!

 BPが財政難悪化を発表する一方で、4月22日に発生したメキシコ湾での原油流出事故の被害は拡大し続け、テキサス州やルイジアナ州、ニューオリンズ近くのポンチャートレイン湖でもタールボール(油魂)が回収されるようになったと発表された。ハリケーンの季節に入り、悪天候が原油回収などの作業を阻んでいることも懸念されている。

 アメリカ沿岸警備隊長のThad Allen氏によると、事故で流出した原油は、メキシコ湾岸全体に影響を与えるに至ったが、ハリケーン・アレックスの通過で荒れた海上では、作業が難航していると言う。そんな中「リリーフウェル(問題の油井と交差するように掘られた油井)も引き続き掘り続けており、今後7〜10日の間に、どうにかして原油噴出口にフタをするチャンスを見つけたい」と、一刻も早い解決に向けて必死だ。実際には、8月半ばまでにセメントを泥で油井口を塞ぐことが計画されている。

 

 現在、毎日6万バレルの原油が流出しているとされるが、回収できるのは2.5万バレル。3隻目の原油回収船Helix Producerを投入して、回収量を今の倍以上の5.3万バレルにしたいとしている。他にも、海面の原油をすくい取ることが可能な巨大タンカーを試行中だ。これにより、1日に50万バレルの汚染された海水から、原油を取り除くことができるという。

 

 一方、BPの経営は悪化の一途をたどっていて、英国政府が万が一の際には救済処置を検討中という報道があった。ロンドンのBP広報担当者は、資金調達のために新たに株を戦略的投資家向けに販売する計画があるとのうわさは否定した。原油流出関連で、BPはこれまでに31.2億USドルを支払っているが、さらに200億USドル支払うことを約束している。

 

文:温野 まき 翻訳サポート:中野 よしえ

サイト

Smh.com.au(Sydney Morning Herald)

URL: http://ow.ly/3xdeV

 

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