コルク栓のワインを選ぼう! スクリューキャップが生物多様性を脅かす

 オーストラリアやアメリカなどの"新世界"ワインは、コルクではなく、ねじ式のスクリューキャップを使用しているものが多い。しかし、コルク産業は森林を守る上で大事な役割を果たしているため、コルクを使用しなくなると、絶滅危惧種を含む多くの生物が失われる可能性があるという。

 

 かつて西洋諸国では、ワインをあける"ポン"と言う音なしにはディナーを始めることなど考えられなかったというが、最近ではオーストラリア産などのワインが人気なことと、開栓が簡単なことで、スクルューキャップが人気だ。しかし、その結果、ポルトガルやスペイン、北アフリカ、イタリアの200万ヘクタールの森林を脅かすことになっている。これらの森林はさまざまに利用されることで維持されているからだ。

 その中にはポルトガルのMontadaの森も含まれるが、わずか0.1ヘクタールのこの森は、世界的にも特に多くの絶滅危惧種が発見される"生物多様性のホットスポット"で、スペインオオヤマネコを含む絶滅危惧種100種以上が生息している。つまり、問題はコルクだけではなく、お互いに依存し協力し合って生存している動植物のコミュニティーにまで及ぶ。世界動物保護基金(WWF)は、スクリューキャップの人気が続くと、今後10年以内に地中海地域のコルク林の3/4が失われると試算した。

 

 コルクは、樫の皮から取られるが、その部分は9年ごとに再生される。コルクで生計を立てられなくなった人々は、樫をもともとその地に生息していなかったユーカリに植え替えるのではないかと心配されている。また、このままではコルク業に携わる10万人が仕事を失う可能性がある。ポルトガルを中心にして最近行われた1500万ポンドをかけた宣伝キャンペーンでは、ワインが呼吸できることと、開栓時の"ポン"という音がいかにロマンティックであるか、という点のほかに、環境的な視点を強調した。

 

 過去10年間でスクリューキャップの占める割合は5%から30%に増え、安いワインが多く売られるイギリスのスーパーでは、実に半分がスクリューキャップのワインだ。ワイン専門家は、わずかな超高級ワイン以外は、コルクでなくともワインの品質を保持するには充分だと言う。

 

 これまで、コルク利用のために森林一体は何百年にもわたって維持・管理されてきた。コルクは再生利用でき、堆肥にもなるのに比べて、アルミ製のスクリューキャップは、生産から廃棄までの間にコルクの24倍のCO2を排出することも指摘されている。

 

 ぜひ今日から、ワインを選ぶときは、コルク栓のワインを選んで欲しい。

 

文:温野 まき 翻訳サポート:中野 よしえ

サイト

Telegraph.co.uk

URL: http://ow.ly/3xd2h

 

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コメント: 1
  • #1

    SU (火曜日, 26 2月 2013 22:19)

    説得力なし

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