世界で最も有名なビルディングが省エネにチェンジ

来年、省エネビルに生まれかわるニューヨークのエンパイア・ステート・ビルディング
来年、省エネビルに生まれかわるニューヨークのエンパイア・ステート・ビルディング

 エンパイア・ステート・ビルディングは現在、意欲的なエネルギー効率アップ目標を掲げ、大掛かりな改築中だ。「マイボトルをビルの利用者みんなが使うことも大切だが、環境的にも経済的にもそれ以上のことをしたかった」とビルの所有者アンソニー・マルキン氏は動機を語った。

 

 今回の計画でエンパイア・ステートとパートナーシップを組んでいるのは、デザイン会社のHornall Andersonやクリントン気候イニシアチブ、ジョンソンコントロールズ(ビルの設備会社)、そして、ジョーンズ・ラング・ラサール(不動産に特化したサービス会社)だ。2009年4月にマルキン氏と上記メンバーとで、ビルの改装計画を開始した。

 この改装で、エンパイア・ステートは、エネルギー使用をおよそ40%抑えることができ、年間440万ドルの費用削減につながると考えられている。エネルギー効率を上げるために6,541枚すべての窓ガラスを一新。勿論、交通や工場での排出を避けるために現地で作業が行われる。冷暖房や換気システムは無線で監視されコントロールできるようになり、自然光を最大限利用できるようにオフィスは配置される。テナントは自分達がどれくらいのエネルギーを消費しているかチェックすることもできる。改装は半分がすでに終了しており、来年には完成予定だ。

 

 マルキン氏は「エネルギーを削減することは、つまりグリーン・エネルギーを作り出しているようなものだ」とも語った。プロジェクトメンバーは、この計画が人々がエネルギー効率について学ぶ機会になり、他のビルのオーナー達もこの例に続いてくれることを夢見ている。また、同氏は、代替エネルギーを使用しているビル所有者に与えられているような税金控除が、エネルギー効率の良いビルの所有者にも与えられるよう、近く議会に働きかける予定だ。

 

 2階の展示コーナーでは、ビデオやグラフィックディスプレイなどを使用した、ビルの新しい構造の展示をしている。エンパイア・ステートには毎年400万人が訪れるが、2階でツアーチケットを買う列で待つ間に、環境やエネルギー効率について学ぶことができるようになるというから楽しみだ。

文:温野 まき 翻訳サポート:中野 よしえ

サイト

the daily green

URL: http://ow.ly/3wXKz

 

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