最後まで"グリーン知事"として訴え続けるシュワルツネッガー氏

 今期限りで退任するカリフォルニア州のアーノルド・シュワルツネッガー知事は、最後の大舞台となった、Governors'Global Climate Summit 3(第3回 知事らによる世界気候サミット)で、各界のリーダーに「力を合わせれば連邦政府を動かすこともできる」と呼びかけた。

 

 11月中旬に開かれたこのサミットには、国内外の環境保護活動のリーダーをはじめ、ハリソン・フォードやディーパック・チョプラなどの著名人も参加した。

シュワルツネッガー知事はオープニングで、参加者に対し、先駆的な環境保護策を実践するカリフォルニアから学んでほしい、と発言。「皆で一緒に取り組めば、よりクリーンで輝かしく、豊かな未来を築くことができます。ぜひともやりましょう」と訴えた。

 2日間にわたるサミットは知事にとって"グリーン知事"としての評判を確固たるものにする最後の機会となった。来年の1月には、民主党のジェリー・ブラウン氏が知事職を引き継ぐことが決まっている。

 

 サミットでは、企業経営者とパートナーシップを結び、発展途上国での再生可能エネルギー計画への投資を推進し、さらに米国内14州とブラジル、インドネシア、メキシコ、ナイジェリアに存在する熱帯林を保護する協定も締結した。

 

 今回のサミットを前に、米国の環境対策に赤信号が灯った。オバマ大統領が率いる民主党が中間選挙で大敗し、ワシントンでの地球温暖化対策関連法案の成立が難しくなったからだ。11月末には、メキシコのカンクンで「気候変動枠組み条約 第16回締約国会議(COP16)」が開かれるが、昨年のコペンハーゲンで合意に失敗しているだけに、各国のリーダーたちは、議論の進展には懐疑的だ。

 

 シュワルツネッガー知事は、先月のカリフォルニア州の投票結果で、環境法案を推進する民意が示されたことを報告。「市民が民主党や共和党という枠にとらわれることなく、もっと大きな視野で環境問題を考え始めている証拠だ」と、参加者を励ました。

 

文:温野 まき 翻訳サポート:中野 よしえ

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