アメリカの大学生が、清涼飲料からエタノール燃料を製造

私たちのまわりにあふれる清涼飲料  Photo by TheSeafarer
私たちのまわりにあふれる清涼飲料  Photo by TheSeafarer

 清涼飲料であふれている国アメリカで、オクラホマ州立大学の学生たちが、清涼飲料を使ってエタノール燃料を作ることに成功した。今回の研究は、安価で再生可能なエタノール燃料を生産するヒントになるかもしれない。

 

 研究の目的はもともと、エタノール燃料を作ることではなく、“ゴミ”処理だったという。全米では、約500の清涼飲料業者が毎分2000本の炭酸飲料を製造していて、ちょっとした流通の不具合が膨大な量の清涼飲料“ゴミ”を生み出してしまう。通常、清涼飲料1本当たりティースプーン10杯の砂糖を含んでいることを考慮すると、その“ゴミ”をエタノールにするのは理にかなっているわけだ。

 

 基本的な行程はいたってシンプル。学生たちは、ペプシ、コーク、スプライト、マウンテンデューをサンプルに使用し、それらに一般的な蒸留用イーストと栄養分を加えた。微生物が食べた砂糖の残りかすが発酵し、7日後には立派なエタノール成分が出来上がる。唯一の問題は、清涼飲料中に含まれる保存料が発酵を妨げることだが、pHを調整することで解決できたという。とはいえ、清涼飲料のゴミを無くすことも考えなくてはいけないね。

 

文:温野まき

 

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