ウランを掘ることに反対するオーストラリアの現住民族

 未だ解決しない東京電力の福島原子力発電所の事故は世界中に衝撃を与えた。そして、オーストラリアの北部特別地域に住む原住民族ミラー族の長老は、パン・ギムン国連事務総長にあてて、日本の惨状をとても心配していると手紙を書いた。

 実は、原子力発電の燃料となるウランの70%がオーストラリアの地層から採掘される。先祖代々ミラー族が所有してきた土地からは30年以上もウランが掘り続けられ、世界中に輸出されているのだ。福島原発を運営する東京電力も、この地域の鉱山から長年にわたってウランを得てきている。しかし、ミラー族の人々は、今回の福島原発の事故を受けて、これまでお通りにウランを採掘させることはさせないと言っている。代々これらの土地を所有してきた人々は、ウランを生産している会社から、採掘の見返りとして2億オーストラリアドル以上のお金をもらっているが、ミラー族の長老は、「たくさんのお金を手に入れてしまった人々は、お酒に手を出すものが多くなり、お金に関しての口論も増え、生活は変わってしまった」と訴える。
 現在、ミラー族の人々は、ウラン鉱山が国立公園の一部になることを強く望んでいる。

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