「節電所」って何? 省エネによって生まれる新たな発電所

今年は扇風機が大人気  Photo by michael.aulia
今年は扇風機が大人気  Photo by michael.aulia

 7月に入り、節電の夏がスタート。真夏の節電と聞くと、暑いなか“ガマン”を強いられると思う人が多いかもしれないが、こう考えてみてはどうだろう。ムダな電力を減らすことは、別の場所で使える電力を増やすことになる。つまり、発電するのと同じ効果があるのだ。こうした考え方は「ネガワット」「節電所」などと呼ばれ、欧米では導入が進んでいる省エネ策の一つ。みんなの少しずつの節電努力の積み重ねで、ドラゴンボールの“元気玉”のように発電所を作り出すイメージだろうか。

 かつて、アメリカのある都市では、原発を止めたために電力が足りなくなってしまった。そこで電力会社が行ったのが、新たな発電所を作るのではなく、省エネ家電やLED電球への買い替えに補助金を出すといったネガワット策への投資だ。これにより都市の電力消費は半分近くも減ったという。
 このような取り組みは日本でも大いに参考にしたいところ。とはいっても暑さをガマンしてまでの無理な節電は禁物だ。日よけ効果のある緑のカーテンを育てたり、最も電力を使う午後の時間だけエアコンを切って扇風機で過ごしたりと、楽しく、涼しく節電所づくりにチャレンジしてみてほしい。

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