式年遷宮とヒノキ ~オソマヤマの植林事業~

62回目の式年遷宮を迎える伊勢神宮。周囲には貴重な森林環境が広がる Photo by ippoqqi
62回目の式年遷宮を迎える伊勢神宮。周囲には貴重な森林環境が広がる Photo by ippoqqi

 三重県伊勢市にある伊勢神宮。ここに『神宮式年遷宮』とよばれる行事が存在する。これは、原則20年ごとに内宮正殿などの建物を造り替える行事で、記録によると685年に式年遷宮の制が制定され、その後690年に第1回目の儀式が執り行われたとのこと。1993年の第61回まで終了し、現在は2013年まで続く62回目の諸儀式・祭事が順次行われている。この際に建築用素材として使われるのがヒノキだ。

 ヒノキは日本と台湾に分布している針葉樹で、建材として日本で高い評価を受けている。式年遷宮に使用されるヒノキを伐りだす山を御杣山(おそまやま)というが、これだけ長い歴史を持つ行事を支えてきただけに、幾度もの用材枯渇の危機に見舞われてきた。このような危機に対して、御杣山そのものの移転が行われたり(現在は木曾谷)、計画的なヒノキの植樹、あるいは植林事業が行われている。ヒノキが遷宮用材として使えるようになるまでには約200年以上かかるともいわれるため、御杣山やその候補地でのヒノキ植林計画は数百年先を見据えた遠大な事業となっている。御杣山やヒノキを育む長い作業が1300年以上続く伝統を支えているのだ。

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