注目のエコグッズ、国産竹パルプ100%のノートが誕生

表紙は白と茶色の2種類。書き味はふつうのノートと変わらない。
表紙は白と茶色の2種類。書き味はふつうのノートと変わらない。

 いま、日本各地で竹林の拡大が問題になっている。竹は生長力が強いうえに、タケノコが食用になるなど、優れた素材植物だ。一方で人が管理しないとどんどん広がり、他の植物が生長する場を奪う。また、根の張りが浅いので、斜面などでは地滑りが起こりやすくなる。

 竹林の拡大を抑えるためには、竹をたくさん使うことが必要だ。この課題に取り組んでいるのが、中越パルプ工業という製紙会社だ。同社では2009年から国産竹パルプ100%の紙を販売しており、包装紙やパンフレットなどで使われている。
 しかし、竹から紙を作るのは簡単ではない。竹は空洞で同じ太さの木材と比べると3分の1程度の原料にしかならないうえ、硬くて加工も大変だ。そのためどうしても高価になってしまうのだが、同社は川内工場(鹿児島県)付近の竹林所有者の協力により製造にかかる費用を抑えたことで、竹紙の製品化を実現した。
 この9月には、日本で初めて国産竹パルプ100%のノートを発売することになった。当面は販売店が限られているが、ノートを買うだけで竹林問題の解決に参加したことになる。ノートをたくさん使う小学生に注目してもらいたいエコグッズなのだ。

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