脱原発依存は家庭のエネルギー消費を半分に抑えることから!全国から500名以上の家づくり関係者が名古屋に集結

会の後半に行われたパネルディスカッション
会の後半に行われたパネルディスカッション

9月17日、名古屋市中区役所ホールに、北海道から九州まで全国の工務店、設計事務所、メーカー、流通等々、500名を越える住宅従事者が大集結した。

 

この“Forward to 1985 energy life”秋の大集会を主催したのは、住まいと環境社代表の野池政宏氏。

 

福島第一原発の事故以来、大規模に再生可能エネルギーを設置し、原発をなくそうという議論が盛んに行われているが、地球温暖化や化石燃料の枯渇を前に、エネルギー消費を抑えて行こうという声が上がってこない。この運動は、そうした危機感を背景にし、具体的に家庭のエネルギー消費量を抑えることを目的にした運動だ。

基調講演を行う野池氏
基調講演を行う野池氏

この運動の最大かつ、唯一のミッションは、家庭部門の消費エネルギー量を現在の半分にすること。日本の一般家庭が現在の消費エネルギーの半分で暮らしていたのは1980年代の中頃。そこで、カギをにぎるのが家づくりに関わる人たち。新築をするなら自然の恵みを最大に生かしつつ、エネルギーロスを最小限に抑え、既存住宅なら断熱リフォームなどを施して消費量を抑える。これらの実務、啓発を確実に行わなくては消費量半分は難しい。

 

野池氏による基調講演に続き、後半は各会の専門家、小林光氏(慶應義塾大学情報学部大学院教授、元環境省事務次官)、濱惠介氏(エコ住宅研究家、独立行政法人都市再生機構都市デザインアドバイザー)、上岡裕(NPO法人エコロジーオンライン理事長)、三浦祐成氏(新建新聞取締役社統括編集長)、澤木久美子氏((株)アトリエ空一級建築士事務所)らが、野池氏コーディネートのもとパネルディスカッションを行なった。

満杯になり、立ち見も出た会場風景
満杯になり、立ち見も出た会場風景

そのなかで今後の課題や具体的推進方法の意見交換がなされた。とりわけ印象的だったのは「はじめましょう!家遊び」として、厳しくガマンを強いる生活では無く、楽しみながらエコロジーライフを送ることを応援していくことが、この活動の成功の秘訣ではないかという提案だった。

 

最後はその参加者全員の意思確認と2025年頃までにこの半分を達成することを誓う大会宣言が採択され終了した。

 

来年には、東京で1000人規模、さらに翌年には東北で5000人規模の集会を目指して、この運動の幅広い啓発を行っていくという。これまでに無い、流派を超えたライフスタイル転換の活動に期待したい。

 

取材・文:編集部

 

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