各地で始まった「安全な給食」を目指す自主検査

真鶴町が導入した食品放射能測定装置(問い合わせは真鶴町教育委員会へ)
真鶴町が導入した食品放射能測定装置(問い合わせは真鶴町教育委員会へ)

 福島第一原子力発電所の事故以降、大量の放射性物質が放出され、内部被曝の恐れが高まっている。内部被曝は、主に放射性物質に汚染された食品を食べたり、汚染された空気を吸い込んだりすることで起こる。体内に入った放射性物質の多くはとどまり続け、放射線を放出して病気を引き起こすことがある。

 

 原発事故後、政府は放射性物質の暫定基準値を決定した。例えば肉、魚、野菜、穀物などについては、500ベクレル/kg以上の放射性セシウムを含む食品が出回らないように呼びかけている。しかし、検査体制が十分とはいえず、暫定基準値を超えた食品が流通したこともある。また、「できる限り0ベクレルが望ましい」といった声も多い。

 

 一方で給食食材の自主検査に乗り出す自治体が増えている。神奈川県真鶴町では、毎日使用する食材の中から使用量が多い5品目程度を測定し、40ベクレル/kg以上のものは給食に使わないようにした。測定結果は小学校のホームページで公開している。

 

 このほか給食に提供された1食分の給食をミキサーにかけた後、精密に検査する自治体もある。検査方法は多様だが、日本が放射性物質に汚染されたいま、広がってほしい取り組みといえる。

 

文/岩間敏彦

 

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