スマホアプリを活用した自転車シェアリングシステム「COGOO」登場!

COGOO自転車
COGOO自転車

 パリをはじめヨーロッパで導入が進む低環境負荷型の交通システム「シェアサイクル」が、日本各地でも広がりを見せている。シェアサイクルとは、レンタサイクルの形態のひとつで、好きなときに好きな場所で、自転車を借りたり返したりできるのがその特徴だ。そのため、自転車を設置するサイクルステーション(ポート)が街にどれだけ設置されているかが、シェアサイクルの利便性を決定付けるポイントとなる。

 


 ところが、こうしたポートの設置拡大には課題が多い。例えば、一般的な無人シェアサイクルポートを開設するためには、駐輪ラック、電源、通信端末、精算機、電子錠といった設備の導入が必要となる。さらには、比較的広いスペースを必要としたり、10数台以上のまとまった台数でなければ運用ができないなど、導入へのハードルが高いのだ。

<従来システムイメージ>
<従来システムイメージ>

 そんななか4月9日、導入コストや設置スペース等の問題を解決した新たなシェアサイクルの実験導入が、横浜国立大学でスタートした。環境コンサルティング事業を展開するリレーションズが開発した自転車シェアリングシステム、その名も「COGOO(コグー)」だ。

 

 COGOOは、Android対応のスマートフォン、タブレット端末に専用アプリをインストールし、Bluetooth機能によって電子錠の開閉を行う仕組み。通信や決済も携帯端末を介して行うため、電子錠を自転車に装着するだけでサイクルシェアが実現できる。システムやコストを最小限に抑えた結果、1台あたりの設備導入コストは従来の約1/4以下となり、自転車1台からの設置も可能となった。専用ポートを作らなくても、ちょっとした空きスペースがあれば気軽に自転車の貸し出し・返却ができることから、年間243000台にも上るという国内の放置自転車対策としても効果が期待される。

 

電子錠
電子錠

「COGOO」ロゴ
「COGOO」ロゴ

 ステーションは当初、大学内に2ヵ所、10台でのスタートだが、6月には9ヵ所のステーションに計100台の自転車が設置される予定。今後はiPhoneやiPad、一般の携帯電話にも順次対応していくという。

 

 シェアサイクルの普及は、放置自転車の削減だけでなく、CO2の削減、健康維持など多くのメリットが見込める。また、シェアサイクルは別名「コミュニティサイクル」とも呼ばれ、商店街や地元企業との連携などによってまちづくりの一環、地域活性化に寄与する可能性も持っている。もちろん日本での本格普及には、自転車専用レーンの整備や自転車ユーザーのリテラシー向上など課題も多いが、自転車単体でシェアリングを実現できるCOGOOの仕組みは、これまで以上にシェアサイクルの可能性を広げてくれそうだ。

 

 


文/加藤 聡

 

COGOO

http://cogoo.jp/

 

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