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地球温暖化の影響で、南極大陸では氷の減少と植物の増加という大きな変化が進行している。特に南極半島では、気温の上昇により氷が溶け、これまで不毛だった土地に植物が広がっているという。
南極の「緑化」が進行中
南極半島の植生面積は1986年には1平方キロメートル未満だったが、2016年以降急速に拡大し、2021年には約12平方キロメートルにまで増加している。主にコケ類や地衣類が繁殖しており、温暖化による気温上昇と湿潤化がその背景にあるという。
南極の氷床は、過去数十年にわたり減少傾向にある。特に海氷の面積は記録的な低水準を記録し、2025年3月には過去最低レベルに近づいている。氷の減少は海面上昇を引き起こすため、地球規模での影響が懸念されている。
生態系への影響と懸念
氷の減少により露出した土地には、南極固有の植物である「ナンキョクコメススキ」や「ナンキョクミドリナデシコ」が生育域を拡大している。これらの植物は温暖化により成長速度が増加し、分布域も広がっているという。
このような変化は新たな問題も引き起こしている。温暖化や人間活動の増加により外来種が侵入する可能性が高まり、南極の脆弱な生態系が脅かされる危険性があるのだ。例えば、外来の草本植物や昆虫が定着し、在来種との競合や病原体の持ち込みなどが懸念されている。
これらの問題は、地球温暖化が南極の環境に与える影響の一例である。
今後も南極の変化を注視し、持続可能な地球環境の維持に向けた取り組みが求められている。
<参照リンク>
Ice loss and plant growth mark new era for warming Antarctica
Antarctica is ‘greening’ at dramatic rate as climate heats
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(一部AIを使用)