【アメリカ発】海底から大量のメタンガスが放出され続けている

 北極海の海底からメタンガスが放出されていると、アラスカ大学フェアバンクス校などの研究者達がこのほど報告した。気象学者達は長年、地球温暖化によって永久凍土に貯蓄されている温室効果ガスのメタンが大気中に大量に放出され、更に気候変動に拍車がかかるだろうと警告してきた。

 同大学のナタリア・シャコーバ博士らのグループは、ベーリング海峡の西に位置する東シベリアの北極海大陸棚を調査し、同地域が年間7テラグラム(1テラグラム=110万トン)ほどのメタンを放出していると試算した。地球全体でのメタン放出量は年間約500テラグラムと言われている。

 

 CO2のほうが大気中には多く存在し、また持続性があるにも関わらず、メタンの放出がなぜ問題になるかというと、メタンは単位当たりでCO2の約25倍もの熱を蓄えるため、温室効果ガスとしてより強力だからだ。

 

 東シベリアの北極海大陸棚でメタンが放出され始めた原因のひとつは、河川から流れ込む水の温度が今までより温かいことだという。

 

 メタンが海底から放出される場合、通常は海面に到達するまでに酸化されてCO2に変化してから大気に放出される。しかし、水深が深くても50メートルしかない北極海大陸棚では、メタンはメタンのまま海面に到達し大気に放出される。結果、北極のメタン濃度は地球全体の約3倍にもなっている。大陸棚付近では更に高い割合が記録された。

 

 しかしシャコーバ博士は、「調査は始まったばかりで、メタンの海底からの放出が緊迫した状況であるかを判断するには早すぎる」とコメントしている。

 

文:温野 まき 翻訳サポート:中野 よしえ

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コメント: 1
  • #1

    (木曜日, 06 10月 2016 13:17)

    ha
    あどういう意味かわかんねーよ

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